中国の物価、半数以上の回答者が「高すぎる」

2016/04/06
更新: 2016/04/06

中国人民銀行(中央銀行)が3月31日発表した1~3月期都市部住民調査によると、現在の国内の物価水準に対して、半数以上の回答者が物価が高すぎるとの見方を示したという。

同調査は中国50の都市に住む2万人の銀行預金者を対象としたもので、調査内容は物価、収入、就職、投資および住宅価格の五つの項目が含まれる。同調査によると、52.7%の回答者が物価について、「高くて受け入れられない」と答えた。24.8%の回答者は4~6月期の物価について「上昇する」と予測。現在の物価に満足していると答えた住民は全体の25.2%で、昨年10~12月期と比べて1.1ポイント低下した。

昨年10月以降、消費者物価指数(CPI)は5カ月連続で上昇した。2月のCPIは前年比で2.3%増と、2014年7月以来の高水準となった。中でも毎日の食事に欠かせない野菜豚肉の価格が急上昇している。昨年10月20日、今年3月21日のトマト、ネギ、白菜、冬瓜と豚ヒレ肉のそれぞれの販売価格を比較すると、約40%上昇している。

国内の多くの証券会社は、2016年通年のCPI水準が上昇傾向にあると予測。証券大手の中信証券は3月のCPIがさらに上昇し、伸び率が2.5%となると予想した。また、国家発展改革委員会も4月5日に16年のCPI水準がやや上昇するとの見通しを示した。

また同調査では、50.7%の回答者が住宅価格について同様に「高くて受け入れられない」と回答した。今後の住宅価格見通しについて、52.1%が「大きな変化はないだろう」と示した。

野菜や住宅価格の急上昇に対して経済成長の鈍化が続く中、多くのエコノミストが今後、中国経済はスタグフレーション(景気不況と物価の持続的上昇が併存する状況を指す)になるとの懸念を強めている。

(翻訳編集・張哲)

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