大紀元時報

「アヘン戦争」カナダへ侵攻 中国製の鎮痛薬フェンタニル 抑制できるか

2018年12月03日 16時09分

カナダの外交情報筋によると、過剰摂取で死に至る鎮痛剤フェンタニルで安価な中国製がカナダに大量流入しており、両国の外交の上位課題であると位置づけているという。同国メディア・グローバルニュースは12月1日に伝えた。

モルヒネの50~100倍の鎮静効果があるフェンタニルは、常習や過剰摂取で死亡する危険がある。また中毒患者の増加で労働人口減少も危惧されている。北米に中国から大量流入するフェンタニルは第二の「アヘン戦争」と例えられている。ヘロインよりも安価で入手しやすく、闇の薬品販売サイトで購入されている。日本では手術中や重大疾患の鎮痛薬として医療機関から限定的に処方される。

カナダ当局の9月発表統計によると、2016年1月から2018年3月までにオピオイド関連死は8000件以上にのぼり、「全国的に深刻な合成鎮痛薬(オピオイド)危機が続いており、家族や地域社会に破壊的な影響を及ぼしている」と書いている。

カナダの税関当局は、フェンタニルなど他の合成鎮痛薬は、主に中国南部の工場で生産され、コンテナで海上輸送され北米に到達していることを突き止めた。

グローバルニュースによると情報筋は、カナダへのフェンタニル大量流入と合成鎮痛薬(オピオイド)危機は、中国との外交関係の悪化により解決の見通しが立たないと述べた。

報道によると、カナダは最近、在バンクーバー中国領事館に新たな中国公安連絡部署を設置するとの中国の要求を断った。これにより両国関係は悪化した。この情報筋によると、中国当局はカナダのバンクーバーに逃亡したという腐敗幹部の調査の許可を要求している。この人物は北京企業から10億カナダドル(約850億円)を奪取し、バンクーバーで資金洗浄を図った。

ジャスティン・トルドー首相は11月30日から12月1日までブエノスアイレスで開かれたG20サミットで、中国とフェンタニル問題で協働していると従来通りの見解を示した。また、危機的状況はさらに悪化しているとの認識も明らかにした。

トルドー政権はオピオイド危機に中国と連携して解決すると説明するが、しかし同情報筋は「フェンタニル問題は悪化する。中国の望むものが手に入らない限り、状況は何も変わらないだろう」と述べた。

報道によると、カナダがこの中国公安連絡部署の設置を断ったのは安全保障上の問題が生じかねないためだという。連絡部署は、中国諜報機関の海外代理役を担う恐れがある。

中国共産党政府が世界的に影響を強める中、カナダを含む米国、英国、オーストラリア、ニュージーランドは各国諜報当局情報の相互協定UKASA協定(通称ファイブ・アイズ)の情報協力を強化している。

ロイター通信10月12日は、複数の国の政府関係者の話として、ファイブ・アイズの5カ国に加え、日本とドイツの諜報当局は協働して中国共産党の対外浸透工作について調査することで意見を一致させているという。日本政府は同取材に回答していない。

オピオイド危機は米国でも深刻で、年間数万人の死者が出ている。2017年には非常事態宣言が発布された。米国が輸入するほぼすべての鎮痛薬は中国が製造する。

G20サミットの米中首脳会談ではトランプ大統領は同問題を協議し、習主席はフェンタニル輸出規制を約束したという。ホワイトハウスの報道官サラ・サンダースは同日の会見で「フェンタニルを米国へ向けて販売する人物は、中国の法律で極刑が下る対象となる」と述べた。

(編集・佐渡道世)

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