大紀元時報

アングル:米中の関税合戦が激化、今後の主な動きは

2019年09月03日 10時16分
8月31日、米トランプ政権は9月1日から中国に対する制裁関税第4弾を発動。写真は米中の国旗。北京で5月撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)
8月31日、米トランプ政権は9月1日から中国に対する制裁関税第4弾を発動。写真は米中の国旗。北京で5月撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)

[31日 ロイター] - 米トランプ政権は9月1日から中国に対する制裁関税第4弾を発動。約3000億ドル相当の中国からの輸入品への追加関税を15%とし、一部は導入を12月15日に先送りする。今回の措置が完全に実施されると、中国からの輸入総額約5500億ドル全てが制裁関税の対象となる。

米国の対中制裁関税と中国の報復関税を巡る今後の主なスケジュールは以下の通り。

◎9月1日=米国が制裁関税「第4弾」の前半部分を発動

米税関国境警備局(CPB)は米東部時間午前0時1分(日本時間午後1時1分)から中国からの輸入品に追加関税を発動。8月30日公表の指針によると、発動時間より前に中国を離れた貨物に対する猶予期間の適用はない。5月に対中輸入関税が引き上げられた際には猶予期間の適用があった。

米商務省国勢調査局のデータに基づくロイターの分析によると、9月1日からの課税対象は約1250億ドル相当分で、大半が消費財。平面パネルテレビ、フラッシュメモリー、綿セーター、ベッドシーツや枕カバー、プリンター複合機、靴などが含まれる。

対象品目で最大のカテゴリーはスマートウオッチ、スマートスピーカー、ブルートゥース方式ヘッドホンや、ほかのインターネット接続型機器など、前回の制裁で課税を免れていた製品。全米家電協会によると、こうした製品の中国からの年間輸入は推計179億ドル。

◎10月1日=米国が制裁関税「第1─3弾」の税率を5%幅引き上げ

トランプ政権は既に実施済みの2500億ドル相当の中国からの輸入品に対する25%の追加関税率について、10月1日に30%に引き上げることを提案しており、9月20日まで意見公募を受け付ける。

対象品目のうち500億ドル相当は機械、半導体やプリント基板などの電子部品、化学製品といった非消費財。残る2000億ドル相当には家具や掃除機、照明器具、衛生器具、ハンドバッグ、かばん、ビニール製床材など消費財や建材が含まれる。

◎12月15日=米国が制裁関税「第4弾」の後半部分を発動

後半部分の課税対象は消費者向けハイテク製品が中心で、携帯電話(昨年の中国からの輸入は430億ドル)、ラップトップとタブレットのパソコン(370億ドル)、玩具(120億ドル)が含まれる。

トランプ氏はこうした製品について、クリスマス商戦への影響を避けたいとして追加関税の発動を12月に先送りした。

国勢調査局のデータによると、第4弾後半部分の対象品目は昨年の中国からの輸入額が約1560億ドル。ほかにプラスチック製食器類、靴下、LED照明、クリスマス用の飾り、衣類など幅広い消費財が含まれる。

◎中国の報復関税

トランプ氏が8月初めに制裁関税第4弾を発表し、事実上残る中国からの輸入品全てに制裁関税を課す方針を発表すると、中国政府は米国からの輸入品5078品目、年間輸入額約750億ドル相当に対して5─10%の追加関税を導入すると発表した。

中国の報復関税も9月1日と12月15日の2段階に分けて実施。前半は米国産原油を初めて報復対象に組み込み、5%の関税を導入するほか、米国産大豆は税率が25%から30%に引き上げられる。牛肉と豚肉の関税も10%上積みする。

中国政府は米国製自動車と自動車部品に対する25%と5%の追加関税で、停止措置を見直す。中国は米国との交渉進展を受けて昨年12月にこの課税を停止していた。

中国は既に約1100億ドル相当の米国からの輸入品に対して5%から25%の追加関税を課している。対象は大豆、牛肉、豚肉、海産食品、野菜、液化天然ガス、ウイスキー、エタノールなど。2018年の輸入額に基づくと、米国産品で対象から外れているのはわずか100億ドル程度で、最大のカテゴリーはボーイング<BA.N>の大型商用航空機。

◎米国の対中制裁関税の適用除外

トランプ政権は9月1日と12月15日導入の制裁関税第4弾で、ベビーベッドやほかの乳児向け製品といった一部の家庭用家具、聖書などを対象から除外。

こうした除外のうち、インターネットモデムやルーターなどは既に25%の追加関税の対象になっているため。安全性確保や宗教的な理由も考慮されたが、お祈り用の数珠や宗教的なメダルは追加関税15%が9月1日からかかる。

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