新型肺炎拡大の中国、感染防止対策に追われる国内企業

2020/01/23
更新: 2020/01/23

[上海/香港 22日 ロイター] – 中国では春節(旧正月)の大型連休に伴う人々の大移動で新型肺炎の感染が急速に拡大するとの懸念が高まる中、企業は従業員にマスクを配布したり武漢への旅行を避けるよう警告を出すなど、対応策に追われている。

ロイターが入手した内部文書によると、華為技術(ファーウェイ)は従業員に対して武漢への旅行を減らして動物との接触を避けるよう求め、武漢市に感染拡大を防ぐためのチームを設置した。

 また複数の関係筋によると、中信証券<600030.SS>と中国国際金融(CICC)<3908.HK>は従業員に、可能であれば武漢と、同市を省都とする湖北省の旅行を避けるよう訴えた。武漢や湖北省を訪れた従業員は報告を義務付けた。

中信証券は従業員に対して、湖北省に旅行した場合には自主的に隔離措置を取ることも求めた。

HSBCホールディングス<HSBA.L>は従業員が武漢を訪れることを引き続き認めているが、最大限の警戒態勢を取るよう伝えている。

また配車サービスの滴滴出行は今週、ドライバーにマスクと消毒剤を配布し、武漢の顧客とドライバーに1月31日までの期間、旅行をキャンセルさせると発表した。キャンセルに伴うコストは同社が負担する。

米アップル<AAPL.O>に製品を供給する台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業<2317.TW>の創業者、郭台銘(テリー・ゴウ)氏は22日、旧正月を祝うパーティーで、従業員に対し、休暇中に中国を訪れないよう呼び掛けた。また「今回の感染スピードは重症急性呼吸器症候群(SARS)に劣るということはないだろう」との見解を示した。[nL4N29R13M]

米ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>は武漢への渡航を一時的に制限すると発表した。GMは中国自動車最大手、上海汽車集団(SAIC)<600104.SS>との合弁の一環として武漢に製造拠点を持っている。

米物流大手フェデックス<FDX.N>は武漢で従業員や供給業者に医療手術用マスク、手の消毒用ローションなどを配布した。

Reuters
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