豪大学、第三国経由で入国する中国人学生に補助金 新型ウイルスの入国規制で

2020/02/21
更新: 2020/02/21

[シドニー 21日 ロイター] – 豪主要大学の一つであるウェスタン・シドニー大学が21日、中国から第三国経由で入国する中国人学生に1500豪ドル(992ドル)を支給すると発表した。中国本土からの外国人入国禁止による影響を最小限に食い止めることを狙う。

オーストラリアは、新型ウイルスの感染防止策として、2月1日から中国本土から直接外国人が入国することを禁止。この措置は20日、少なくとも29日まで延長された。ただ政府は、中国以外の国に14日間滞在していた学生は入国を許可するとしている。

一方、オーストラリアの新学年はすでに始まっており、大学では、数週間以内に授業に出席できない場合、学生数千人が退学して他国での選択肢を模索するのではないかとの懸念が広がっている。

ウェスタン・シドニー大学は、国が指定した条件を満たした中国人学生には一時金を支給すると表明。広報担当者は電子メールで、「学生たちはオーストラリアに入国し、できるだけ早く新学年を始めたいと切望している。第三国を経由することで追加費用が発生することを踏まえ、大学は1500豪ドルの補助を支給することにした」と述べた。

外国人学生が豪経済にもたらす収入は年間350億豪ドル。このうち中国人学生による収入が占める割合は、約3分の1に達している。

先週には、合計10万5000人の中国人学生を受け入れている国内の主要8大学が、新型ウイルス関連の渡航規制により1億豪ドルの経済損失が発生するほか、中国人学生が10%減るごとに7500人の雇用が脅かされるとの試算を発表している。

Reuters
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