天安門事件から31年、大規模集会禁止の香港で追悼行事

2020/06/05
更新: 2020/06/05

[香港 4日 ロイター] – 中国の民主化運動が武力弾圧された1989年の天安門事件から31年を迎えた4日、香港で追悼行事が行われた。新型コロナウイルス感染を理由に大規模集会が禁止されているにもかかわらず、大勢の市民が街頭でろうそくを灯し、黙とうをささげた。

ブレンダ・ホイさん(24)は「6月4日を決して忘れない」と書かれた電光傘を手にしながら「これが最後の行事になりはしないか心配だが、6月4日の事件はいつまでも香港市民の記憶に残るだろう」と語った。

こうした中、数百人が集まっていた九竜半島側の旺角(モンコック)地区では、一部のデモ隊が金属製のフェンスで道路を封鎖しようとしたため、警官隊が催涙スプレーを使ってデモ隊の排除に乗り出した。警察当局によると数人が逮捕されたという。

欧州連合(EU)と米国は、天安門事件の追悼を望む香港市民への連帯を表明。台湾では自由広場に500人以上が集まり、中国政府に謝罪を要求した。

蔡英文総統は自身のフェイスブックに「中国では1年が364日しかなく、あと1日は忘れ去られている。地球の隅々で再び消えていく日がないことを願う。そして香港の健闘を祈る」と書き込んだ。

中国政府は天安門事件の全容を明らかにしていない。当局は死者数が約300人で、そのほとんどが兵士だったとしているが、人権団体や目撃証言によると、数千人は死亡した可能性があるという。

Reuters
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