大紀元時報

<オピニオン>社会主義制度が「自分の重要性」を奪う

2021年03月21日 21時00分
(S. Hermann & F. Richter/Pixabay)
(S. Hermann & F. Richter/Pixabay)

人間にとって必要なものに順位をつけるとしたら、「衣食住」が最上位にくるだろう。2番目に「セックス」を挙げる人がいるかもしれないが、私は「人生の意味」の方が上だと思っている。多くの人が長期間セックスレスでいながらも、人生の意味を見出し、非常に幸せで充実した日々を送っているからだ。

人間にとって3番目に必要なのは、自分が必要とされている感覚、つまり「自分の重要性」である。これは、食料、セックス、人生の意味に比べると影が薄いが、2番目に並ぶほど重要である。

いわゆる「中年の危機」とは、自分の重要性を失うことである。これは主に男性が陥りやすいと言われているが、子供が家を出た後に母親が味わうことも多い。

アメリカ人を悩ませている多くの精神的・社会的危機は、この「自分の重要性」の危機である。

かつて、男性は一家の大黒柱として大事にされ、仕事を通して自分の重要性を感じていた。しかし、1970年代にフェミニズムが台頭し、女性が家庭の主な稼ぎ手になるケースが増えると、男性の地位は失墜した。

共稼ぎは経済的なメリットがある一方、多くの男性が自分の重要性を失った。妻や子どもたちが「パパは何でも知っている」と心から信じる時、男性は本当に自分の重要性を感じられるのである。フェミニストたちは、稼ぎ頭となれない女性がその犠牲を払ってきたと主張し、そのシステムを無理やり変えようとした。

しかし、フェミニストたちの期待とは裏腹に、女性が稼ぎ頭になっても、ほとんどの女性は自分の重要性や人生の意味を見出していない。そもそも、男性と女性の性質は違うのである。

不特定多数の相手とセックスをしても、ほとんどの女性は男性のような満足感を得られないように、多くの仕事は女性に自分の重要性や人生の意味を与えてはくれない。女性は、稼ぎ頭になることで経済的なメリットがあっても、満足感は得られない。多くの女性は、やはり男性に主たる稼ぎ手になってもらいたいのである。裕福な女性が、さらに裕福な男性と結婚することが多いのはこのためだ。これが女性の性質なのだ。

多くの人は、仕事以外に人生の重要性や意味を求め、見つけていた。特にアメリカでは自発的な組織がその両方を提供していた。

19世紀にアレクシス・ド・トクビルが指摘したように、アメリカでは非政府的な団体が、市民の成功と幸福の鍵を握っていた。特に大きく貢献したのは宗教団体と宗教自体である。信仰に篤い人々は、神、コミュニティ、家族を重視していた。私の父はユダヤ教会の会長であり、母は教会の「シスターフッド」で活躍した。二人ともフルタイムの仕事があったが、これらの役割は彼らに人生の意味と重要性を与えていた。

他にも、ロータリークラブ、キワニス、ライオンズクラブ、リトルリーグのコーチ、ボランティアなどの慈善活動、日曜学校での聖書教室などがある。かつては、これらの活動が人々に自分の重要性を感じさせた。

これらの団体の特徴は、政府から独立していることである。政府が大きくなるにつれて、これらのほとんどは縮小した。そして、大きな政府が人々の生活に介入すればするほど、人は自分の重要性を感じられなくなった。

進歩主義者は、政府が市民の生活すべてに介入し、可能な限り多くの人々の面倒を見るべきだと主張する。しかし、それには大きな代償が伴う。政府に頼れば頼るほど、人は必然的に自分の重要性を失っていく。

2012年、民主党全国大会で放映されたオバマ大統領の選挙ビデオは、「政府は私たち皆が所属する唯一のものです」と謳った。また、同大会では「ジュリアの一生」と題した架空のストーリーも上映された。これは、幼少期から老年期まで、完全に政府に依存している女性の物語である。彼女には子供がいるにもかかわらず、物語のどこにも男性が登場しない。実際、ますます多くのアメリカ人女性が、夫ではなく政府に頼るようになった。その結果が悲惨であることは言うまでもない。

先日、バイデン大統領はテレビ演説で「政府を信頼し、信用して下さい」とアメリカ人に訴えた。アメリカのモットーである「我々は神を信じる」(In God We Trust )が、今や「我々は政府を信じる」(In Government We Trust )にすり替わったのだ。

人は自分の重要性を感じられなくなると、別の場所にそれを求めるようになる。その代表例が、人種差別、異性愛、資本主義、父権制、トランスジェンダー嫌いとの戦いである。人は、世界を救っていると思い込んでいる時ほど、自分の重要性を感じる時はないからだ。

(文・Dennis Prager/翻訳編集・郭丹丹)


執筆者:デニス・プラガー(Dennis Prager)

ラジオ・トークショー司会者でコラムニスト。

※寄稿文は執筆者の見解を示すものです。

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