大紀元時報

米豪、海底ケーブルを通じた中共スパイを防ぐ試み 太平洋島しょ国の通信事業を停止

2021年7月9日 20時09分
ファーウェイマリンが、カメルーンとブラジルを結ぶ6000キロあまりの海底ケーブルを敷設している。参考写真 (Amindeh Blaise Atabong, Special to The Epoch Times)
ファーウェイマリンが、カメルーンとブラジルを結ぶ6000キロあまりの海底ケーブルを敷設している。参考写真 (Amindeh Blaise Atabong, Special to The Epoch Times)

南太平洋の島しょ国の間で予定されていた海底通信ケーブル敷設計画が6月、米国から安全保障上の懸念があるとして、停止していたことがわかった。NECやノキア傘下企業などが入札に加わったが、20%ほど安く価格を提示した中国企業が落札に有利な立場にあったという。ロイター通信などが関係筋2人の話として報じた。

世界銀行主導の通信ネットワーク建設計画だったが、中国軍との繋がりの強い華為技術の元傘下企業「華海通信技術(HMNテクノロジーズ、旧社名:華為海洋網絡=ファーウェイ・マリン・ネットワークス)」が入札に参加していた。

東ミクロネシアケーブル」と呼ばれる多国間プロジェクトは、台湾と外交関係を維持するナウル、2019年まで台湾と外交関係にあったキリバス、ミクロネシア連邦など、太平洋の島しょ国における通信環境を改善するために計画された。また、米軍事施設のある米領グアムへのケーブル接続も予定されていた。

関係筋の1人はロイターに対し、華海通信技術の入札参加をめぐり「入札者である華為を排除する具体的な方法がなかったため、3件すべての入札が不適合」になったと述べた。

海底通信ケーブルは、国際通信の約99%を占める、重要な通信インフラの根幹となっている。現在その世界シェアは日米欧の企業が約9割を占めるが、華海通信技術が4位につけている。中国企業は政府補助を受けており、他社より割安な金額を提示することで、徐々にシェアを高めている。

専門家は、共産党体制下にある中国企業が、この国際的な基幹インフラの占有率を高めることに危機感を抱いている。

米国ワシントンD.C.のシンクタンク「情報技術イノベーション財団(ITIF)」の貿易政策担当副責任者ナイジェル・コーリー氏は、「海底ケーブルは、そのシステムで通信される情報を抜き取られる可能性がある。そのため、オーストラリアや米国などは、この重要なインフラを中国企業が提供することは適切ではないとみている。米国の領土や南太平洋におけるオーストラリアの利益にも関わることだ」と、大紀元の取材に答えた。

コーリー氏は、政府補助を受ける企業が国際競争に並ぶのは不公平だと指摘した。「中国企業は、国の金融支援を受けることができるため、明らかに一般的な市場コスト以下で提案できる。つまり、安価な融資は、中国のハイテクリーダーの国際的な展開を支援するための重要なツールなのだ」と語った。また、中国の産業補助金は、高速鉄道を含む他の産業にも及んでいると指摘した。

さらにコーリー氏は、米国とオーストラリアは、ICTインフラを守り、権威主義的な中国の浸透を阻止するために、協力し合っていると付け加えた。

「オーストラリアが同盟国である米国と協力して、潜在的な国家安全保障上のリスクを評価することもありえる。ファーウェイが中国政府や中国共産党と関係していることを考慮して、最終的に受け入れがたい安全保障上のリスクであると判断したとしても、驚くべきことではない」と述べた。

コーリー氏の話を裏付けるように、米豪に日本を加えた3カ国は、協力体制を強化する動きがある。4月、読売新聞は独自報道として、日米豪の政府や関連企業など産学官の関係者は非公式の会合で、海底ケーブル分野で連携を強化することで一致したと伝えた。中国の動向に関する情報共有を強化することや、戦略上重要な地域での海底ケーブル計画については、資金面の協力などが提案されたという。

中国共産党が食指を伸ばす国際海底ケーブル事業に、警戒心を高めるオーストラリアは、通信網設置の支援に動いている。2019年にパプアニューギニアとソロモン諸島に高速インターネット通信を敷設した。中国企業の提案に対抗した格好だ。

さらに、今年6月には、南太平洋の島国ナウルがオーストラリアのケーブルとの接続を検討しているとロイターは報じている。中国企業による海底ケーブル建設計画に代わる新たなプロジェクトだという。アジア開発銀行(ADB)は、ナウルがこの新計画のために資金調達を始めていることを認めている。

(ADAM MOLON/翻訳編集・蓮夏)

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