10月11日、世界銀行のマルパス総裁は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で低所得国の発展が後戻りしたことに対処するため、最貧国向けの融資を手掛ける国際開発協会(IDA)に対する1000億ドルの資金拠出を先進国に求める考えを示した。写真はバリ島のヌサドゥアで2018年10月撮影(2021年 ロイター/Johannes P. Christo)

世銀、先進国に1000億ドル拠出求める 低所得国の発展後戻りに対処

[ワシントン 11日 ロイター] - 世界銀行のマルパス総裁は11日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で低所得国の発展が後戻りしたことに対処するため、最貧国向けの融資を手掛ける国際開発協会(IDA)に対する1000億ドルの資金拠出を先進国に求める考えを示した。

世銀は世界経済が今年5.7%、来年は4.4%成長すると予想しているが、マルパス氏は「根強いサプライチェーン(供給網)のボトルネックや新型コロナ感染拡大の中、高頻度のデータでは世界的な活動の減速が示されている」とした上で、「ワクチン接種率上昇の遅れやインフレ、限られた政策支援、過度に少ない雇用機会、食料、水、電力に及ぶ供給不足を背景に、大半の途上国にとって見通しは厳しい」と述べた。

また、不均衡は急速に拡大しており、先進国の1人当たり所得が今年、5%近く増加するとみられているのに対し、低所得国ではわずか0.5%の伸びにとどまる見通しと指摘。

先進国は既にコロナ禍前の成長レベルに達しているのに対し、途上国の生産は来年もコロナ禍前の水準を4%近く下回るとの見通しを示した。

同氏は「多くの側面において、われわれは発展の悲劇的な後戻りを目撃している」とし、「極度の貧困を減らす取り組みの進展が数年、一部の国にとっては数十年後退した」と危機感を示した。

その上で、格差拡大に対応するため、世銀はIDAの資金補充向けに先進国から1000億ドルの資金拠出を募るとした。