香港当局、英NGOに国家安全維持法適用と警告 英外相ら非難

2022/03/15
更新: 2022/03/15
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香港での人権侵害について発信してきた英国拠点のNGO「香港ウォッチ」は14日、香港警察から「国家安全維持法に抵触する」との警告通達を受けたことを明らかにした。同法が国外団体に適用されたのは今回が初めてとなる。

香港警察は通達のなかで、香港ウォッチは香港特別行政区の業務に「重大な干渉」を行い「国家の安全を脅かしている」と主張。同団体に10万香港ドルの罰金、または団体代表のベネディクト・ロジャース氏に3年の禁固刑を科す可能性があると警告した。

通達はさらに、72時間以内に同団体ウェブサイトを削除し、活動を停止するよう迫った。実施しなければさらなる措置を講ずるとした。香港警察は2月、国家安全維持法を用いて団体のウェブサイトを香港からアクセスできないようブロックしている。

ロジャース氏は声明のなかで「沈黙することはない」 とし「香港の人々や権威主義的な政権下で投獄された勇敢な政治犯の代弁者であり続ける」と力説した。

中国共産党の全国人民代表大会(全人代)で定めた香港国家安全維持法が施行して以降、香港当局は独立メディアや市民団体への抑圧を強化してきた。香港ウォッチによると解散に追い込まれた市民団体は、過去20カ月で50以上に上るという。

英国のトラス外相は「自由と民主主義のために声を上げる人々を世界中で黙らせようとする試みは容認できず、必ず失敗に終わる」と非難。共同宣言を含む国際公約に従って香港での普遍的な権利を守るべきだと訴えた。

世界がウクライナ侵攻に注視するなか、今回の威圧的な通達は出された。英保守党の元党首イアン・ダンカン・スミス議員は「全体主義を掲げる中国(共産党)がいかに世界中の自由に対する脅威であるかを再認識させられる」と指摘した。

デビッド・アルトン英上院議員は「世界中の表現の自由に対する直接的な攻撃」であり、香港を擁護する外国団体を威嚇し脅かす「ショッキングな試み」だと強調。各国政府に事態を深刻に受け止め、声を挙げるよう呼びかけた。

山中蓮夏