カリフォルニアの生態系を破壊するグリーン官僚 1

2022/12/17
更新: 2022/12/17
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カリフォルニアの政策エリートは、自分たちこそ、このカリフォルニア州こそが世界で最も環境に配慮しているのだと考えている。しかし、実はそうではない。善意からではあっても誤った政策、そしてそこに環境保護を隠れ蓑にした利権の思惑が重なり、「環境保護主義」は環境に良い影響を与えるどころか、むしろ悪い影響を与えてきた。

環境保護主義者の唱える政策には明らかに疑わしいものもあるが、気候変動対策という名目で正当化されている。その典型的な例が、カリフォルニア州が電力網を「再生可能」エネルギーに変換するために費やしている数千億ドルである。もしゼロエミッションの主張がなければ、何千平方マイルにも及ぶ風力タービン、何百平方マイルもの太陽光発電アレイによって土地が覆いつくされることなど、誰も支持しないだろう。

しかし、気候の緊急事態というシナリオが受け入れられたとしても、自然エネルギー開発が環境に及ぼす影響は、今後数十年間に直面する現実的な気候危機と同等か、あるいはそれ以上に悪くなる可能性がある。それでも問題ないのだろうか。カリフォルニア州の住宅、商業、工業、運輸部門のエネルギー源を100%電気に転換するためには、同州の発電量を2倍、3 倍にしなければならない。その場合の環境に対する長期的コストはどの程度であろうか。このエネルギー転換を風力や太陽光による発電技術だけで実現しようとすれば、同州の既存の風力発電と太陽光発電の能力を少なくとも10倍に増やす必要がある。このときの環境コストはどのくらいだろうか。

風力発電と太陽光発電の拡大というカリフォルニア州の決断がもたらす環境コストは、すでに世界中で実感されている。例えば、その代償として、管理不十分な採掘作業という劣悪な環境で貧しい労働者たちが働いている。そうした代償は、10分の1の規模であっても、まだ十分には支払われていない。

カリフォルニア州の人々は、こうした再生可能エネルギーの資産、例えばソーラーパネルやインバーター、タービンのローターやブレード、数ギガワットの定置型蓄電池、そして何百万もの廃棄された電気自動車のバッテリーをどのようにリサイクルし、交換するつもりなのだろうか。

使用済み機器の廃棄物を輸出し、他の国々をさらに汚染させるのだろうか。彼らは既に、こうした機器を製造した結果としての廃棄物を輸出することで、つまりは環境への影響を輸出しているのだ。環境保護主義者の悪影響を輸出することは、自然エネルギーにとどまらない。 禁止されているはずのエネルギー技術にもまた、その痕跡を残している。

カリフォルニア州では、現在も総エネルギー消費の45%を石油から得ており、そのほぼすべてが輸送用である。同州は世界で最も豊富なガスと石油の埋蔵量を誇りながら、石油の75%を輸入している。同州で石油やガスの追加採掘を行うには、世界で最先端の環境規制に適合する必要があるため、その代わりに環境規制のないベネズエラのオリノコ流域やナイジェリアの河口、エクアドルの熱帯雨林等を汚すことで満足しているのである。

ここカリフォルニア州でも、環境保護主義者の政策が環境破壊を引き起こしている。森林管理はその最たる例だ。環境保護主義者のおかげで、同州の木材産業はほぼ完全に廃業に追い込まれた。現在、同州の年間木材収穫量は、1990年代の4分の1以下になってしまった。しかしこれは破滅的なこととは言えないかもしれない。人々が山火事の予防や消火が上手くなったり、環境規制によって管理焼却や下草の機械的間伐、森林での家畜の放牧がほとんど不可能ということがなければ。

近年、何千人ものカリフォルニア州民を家から追い出し、何千平方マイルもの森林を焼き尽くした大火災の主要因は、「気候変動」の影響ではない。確かに、干ばつや夏の高温は起きている。しかし、これらの大火災を引き起こしている前例のない危険は、環境保護主義者のせいだ。同州の森林は火薬庫と化し、数千年前に比べて少なくとも平均5倍の木々が密集している。かつては小さな自然火災が抑えていた下草も、今や茂っているのだ。もし同州の森林が、過去2000万年の間に起きたことのない大火災に見舞われたとしても、「気候変動」のせいにしないでほしい。環境保護主義の暴走のせいなのだ。火種を作った訴訟業者や立法者を非難すべきだ。

(つづく)