神韻大阪公演が開幕、文学博士が感動「強い心が技を支えている」

2024/01/17
更新: 2024/01/17

16日、日本を巡回公演中の神韻芸術団が、大阪府のオリックス劇場で昼と夜の2公演を行った。ニューヨーク発、中国古典舞踊と音楽の舞台公演を通して、失われた中国伝統文化の復興を目指している神韻。この日も、舞台女優から伝統工芸の担い手まで、各界の観客から称賛の声が届いた。

元タカラジェンヌが絶賛「1つのトレンドだと紹介したい」

2024年1月16日午後、元宝塚歌劇団の麻樹ゆめみさんが、大阪府のオリックス劇場での神韻ニューヨーク芸術団の初回公演を鑑賞した。(肖蕾/大紀元)

「舞台が狭く感じるぐらい皆さんの動きがとても大きくて、表情が豊かでした。指先から足先まですごく綺麗に使っていて、表現力が素晴らしいと思いました」

そう語ったのは、この日の公演を鑑賞した元宝塚歌劇団の麻樹ゆめみさんだ。昨年の兵庫県西宮市での公演に続き、鑑賞は二度目。

「黄色い花や長い袖をなびかせる女性舞踊が綺麗で、衣装や色も美しく、馬で駆ける男性舞踊もすごくかっこよかったです。皆さんの身体能力が素晴らしく、勉強や訓練をしてきたのがとてもよくわかる舞台でした」

神韻では、オーケストラの生演奏が舞踊を引き立てる。麻樹さんは「生の音楽もすごく贅沢だなと思いました。踊りと音楽が一緒になっていて、とても気持ち良かったです」と語った。オリジナル歌曲の独唱や中国楽器の独奏の演目も楽しめたという。「素晴らしい歌と二胡の音楽にとても癒されました」

ステージ後方のデジタル背景幕も大きな見所の1つ。「大道具などがないと舞台は成り立たないはずなんですが、神韻はそれをスクリーンで表現されている。人物が映って空を飛んだり、海の中に潜ったり、いろいろ背景が出てくるのがとても面白くて、楽しかったです」と麻樹さんは語った。

言葉を発せずに物語を伝える神韻の表現力は、舞台に立つ者として学びがあったという。「本当に頭の先から足の先まで全てのことを表現しなければならないので、そういうところが1つのトレンドだと周りに紹介したいと思います」

紋章上絵師「琴線に触れる音でとても良い」

2024年1月16日午後、紋章上絵師の塗矢博康さんが、大阪府のオリックス劇場での神韻ニューヨーク芸術団の初回公演を鑑賞した。(寺田崚平/大紀元)

この日、紋章上絵師の塗矢博康さんが公演を鑑賞した。紋章上絵とは、着物に手描きされる家紋のことで、武家時代において非常に重要とされた伝統技能だ。「衣裳の色が綺麗で、とてもエレガントでした。臨場感ある音楽と振付がすごく合っていて、とても楽しかったです」と語った。

舞踊における高度な身体能力に驚いたという。「最初は体操選手のようだと思ったんですけど、そうではなくて、こっち(古典舞踊)から出てきたものだと聞いて、びっくりしました」。神韻のホームページによると、神韻で見られる高度な跳躍や回転技は体操競技や雑技に由来するのではなく、それらの技巧はそもそも中国伝統舞踊に起源を持ち、後に体操競技や雑技に取り入れられていったのだという。

神韻は、善の報いや神への畏敬といった中国伝統の精神文化を表現している。塗矢さんは、「それはとても大事で、僕たちも日々それを実践したいと思っています。良いことをすれば良い報いがちゃんと自分に戻ってきて、悪いことをすると悪い報いが来ますよ、というのは日本人にも全く通じると思います」と共感した。

神韻のオリジナル歌曲は、人の善性を呼び起こす清高なメッセージを伝えている。「琴線に触れるような音でとても良かったです。神秘的な行いや気持ちを清く正しく持てば良いことが起こりますよ、という感じがしました」と受け止めた。

伝統や道徳が破壊された現代中国において、信仰の自由は許されない。塗矢さんは、中国で20年以上続く法輪功への迫害を描いた現代劇の演目に「身につまされる思いがした」という。「今こうしている時も大変な弾圧を受けて、辛い思いをしている方がたくさんいる。ちょっとでも良くしたいという気持ちはすごく強いです」と語った。

伝統工芸に携わる身として、塗矢さんは、古来の美徳を芸術公演で現代に伝える神韻の取り組みを支持した。「もうそれは十分価値があるので、もっともっと広めていってほしいと思います」

「強い心が技を支えている」文学博士が精神性に感動

2024年1月16日午後、大学教授の長尾佳代子さんと同じく大学教授の工藤俊郎さんが、大阪府のオリックス劇場での神韻ニューヨーク芸術団の初回公演を鑑賞した。(牛彬/大紀元)

この日、大学教授の長尾佳代子さんが公演を鑑賞した。「ダンスのことばかりだと思っていたら、色々なメッセージが込められていて良かったです」と語る長尾さんは、特に法輪功学習者の受難と救済を描いた現代劇に感銘を受けたという。

「中国共産党の酷い仕打ちに対して、善い心とか美しいもので対抗しようという思想が伝わってきて、とても良いと思いました。『悪と戦って勝つんだ』というのではなく、どんなことをされても抵抗しない、負けないというメッセージが伝わってきました。勝っていなくても本当の意味で勝ってるというか。とても感動しました」

長尾さんのご専門は文学と宗教学だ。「共産主義は宗教を否定してきたと思うんですけど、やっぱり民族の中ではそういう普遍的な価値を求めていて、それがいろいろな形を取るんだけれども、脈々と思想の下に流れているというのが感じられました」

「多分、世界のいろいろな人がいろいろな形で信仰心を持っていると思うんだけれども、その根底に流れている真善忍という3つの言葉がキーワードになっているんですよね」

現代劇の演目では、法輪功の学習者が迫害に屈することなく、「真善忍」と書かれた横断幕を掲げる。「真と善はよくあるけど、忍というのが特徴的だと思います。決して諦めずに良いものを伝えるという姿勢で対抗しようとしているのがすごく分かって、本当に素晴らしいと思いました」

卓越した演技に「忍」を感じたという。「あれだけの技を完成させるというのは、やっぱり強い心がそれを支えているのだなと思いました。あんなポーズをとって身体はものすごく辛いはずなのに、にこやかな顔でちっともブレずにピシッとしているのは、ものすごく鍛えていないとできないはずなんです。それを成し遂げるための日頃の鍛錬はすごいだろうなと思って、感動しました」




神韻2024日本公演は、2023年12月22日から2024年2月16日にかけて、全国12会場で42公演を挙行する。公演のチケットはチケットセンター(0120-91-8487、午前10時〜午後6時)のほか、公式ホームページから購入することができる。チケットぴあや楽天チケット等、大手チケット予約サービスでも取り扱いがある。

大紀元は神韻芸術団の後援として、2006年の芸術団創設以来、観客の声を伝えています。

大紀元報道記者。東京を拠点に活動。