「またか」…そう、「また」である。
食品への異物混入の話題が絶えない中国。「怒る気力すら湧かない」と諦める声が広がっている。
過去には、学校給食からネズミ、ミルク飲料からネズミ、市販のカップ麺からもネズミ。火鍋からは煮込まれたネズミ、チマキからは血のついた絆創膏、キュウリに刺さった針、ヨーグルトに混入した血液、豚肉ソーセージの中に湧いたウジ虫──どれも実際に報じられた事例である。
慣れた人々は、もはや少々のことでは驚かなくなった。それでも異物混入のニュースは定期的にSNSを騒がせている。そしてまた、同じことが繰り返され、「また出た」と嘆く声だけが、虚しく響く。
「カエル」
6月21日、中国の人気茶系飲料チェーン「奈雪(なゆき)の茶」が販売する茶葉「奈雪小盒茶(ジャスミンティー)」から、乾燥したカエルが丸ごと1匹出てきたとの投稿が注目を集めた。

投稿者の女性は「乾燥したカエルがジャスミンの花と似ていて、気づかず飲みかけた」と訴え、中国メディアも一斉に報道。奈雪側は謝罪し、賠償に応じる姿勢を見せている。


だがこの手の騒ぎは一度や二度ではない。中国では別の大手飲料チェーン「蜜雪氷城(ミーシュエ・グループ)」でも、これまでにゴキブリ、蚊、クモ、乾燥剤の混入が相次いで報告され、2024年には香港の検査機関によって製品から基準値を大幅に超える大腸菌群が検出されている。
もはや異物混入は「中国食品あるある」で、SNS上では「何が入っていても不思議ではない」「ネズミもウジ虫もタンパク質補給」といった皮肉やブラックジョークが飛び交う。
異物混入が報じられるたびにSNSは一時的に炎上するが、企業は慣れたように謝罪し、行政はいつも通り沈黙を守る。「食べ物は命につながる」という基本的な認識が、今の中国ではあまりにも軽んじられている。
食品の安全は「運任せ」。今度はカエル、次は何?
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