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中国 責任者不明の医療事故

中国で5か月乳児が手術中に死亡 医療ミス認めるも医師名は非公表

2025/12/20
更新: 2025/12/20

中国の病院で、生後5か月の赤ちゃんが手術中に死亡した。
その後に出された当局の説明に対し、遺族と世論から「説明になっていない」との強い反発が広がっている。

事故が起きたのは、中国浙江省寧波市の公立「寧波大学付属婦女児童医院」で、亡くなったのは「小洛熙(シャオ・ルオシー)」と呼ばれる女児。洛熙ちゃんは心臓の手術を受ける予定で、家族には「小さな手術で危険は低い」と説明されていた。しかし手術の途中で突然亡くなった。

家族は理由を知ろうと病院に説明を求めたが、詳しい説明はなく、手術室の映像確認も拒んだ。病院側は「記録は残っていない」と説明したという。家族が声を上げ続けた結果、12月14日になって、当局が調査結果を公表した。

当局は、手術前のリスク判断が不十分だったこと、手術操作に問題があったこと、異常発生時の対応や説明が適切でなかったことを認めた。そして、院長や医師らを「処分した」と発表した。

だが、その通報には決定的に欠けているものがあった。
誰が処分されたのか、その名前が一切書かれていなかったのである。

「院長」「主治医」「責任者」と肩書きだけが並び、実在の人物が見えない。これでは、どの医師が関わり、誰が責任を取ったのか、外部から確認することができない。

さらに当局は、「手術室の監視カメラは保存できない仕様だった」と説明した。録画できるのは麻酔機器専用の映像のみで、医師の手元や手術の様子は確認できないという。命に関わる医療行為の記録が残らない仕組みだったことに、多くの人が強い不安と不信を抱いた。

この問題は中国のSNSで爆発的に拡散し、関連話題は2.9億回以上閲覧された。しかしその後、検索ワードや話題は削除され、疑問の声は事実上封じられた。

赤ちゃんの母親が求めているのは、ただ一つだ。
「なぜ、うちの子は死んだのか」。

だが今のところ、その問いに、名前を出して答える人はいない。

 



中国寧波で乳児手術死 同じ医師の関与は3例目との指摘

中国浙江省寧波市の病院で、生後5か月の乳児が心臓手術後に死亡。母親が手術の異常な経過や病院側の不誠実な対応を訴えた。同じ医師による過去の乳児死亡例も浮上

(本件に関する過去記事)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!