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トランプ氏 FRB本部に異例の訪問 パウエル議長に利下げを直接要求

2025/07/25
更新: 2025/07/25

アメリカのトランプ大統領は24日、ワシントンD.C.にある連邦準備制度理事会(FRB)本部を異例の訪問をし、ジェローム・パウエルFRB議長に対して米国の政策金利の引き下げを直接要求した。現職大統領がFRB本部を訪れ、金融政策について議長に直接働きかけるのは極めて異例であり、関係者や市場に大きな波紋を呼んでいる。

FRBはアメリカの中央銀行であり、金利や通貨政策を独立して決定する機関である。トランプ大統領はかねてから物価上昇が落ち着いてきていることや財政赤字の負担軽減を理由に、利下げを再三求めてきた。今回のFRB本部訪問でも、パウエル議長を前に「政策金利を引き下げるべきだ」と記者団の前で発言した。これに対し、パウエル議長は明確な反応を示さなかったという。

加えてトランプ大統領は最近、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」でも、「米国の政策金利は現在より3%ポイント低くあるべきだ」と主張し、パウエル議長を「頑固者」と名指しで非難している。

FRB議長のパウエル氏はこれまで、インフレ抑制や市場安定を優先して慎重な金利政策を取っており、トランプ大統領の度重なる介入にも独立性を維持する姿勢を示している。また、金融政策の決定は議長一人の判断ではなく、米連邦公開市場委員会(FOMC)の合議制で決定される。

次回のFOMCは7月29日と30日に開催予定で、そこで金利政策が再び議論される見通しである。現時点では、FRBが利下げに踏み切るかどうかは不透明である。パウエル議長は「経済指標やインフレ動向を慎重に見極め、政治的圧力に左右されない独立した判断を重視する」との立場を堅持している。

今回の大統領によるFRB訪問と直接要求は、中央銀行の独立性やアメリカの経済政策をめぐる議論をさらに活発化させている。なお、パウエル議長の進退や今後の金利政策については現時点で新たな動きは確認されていない。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。