【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。
台湾・香港 ホタテ購入で示す台日友好

台湾「日本ホタテ最大の購入国が目標」 日本を助けたい

2025/12/19
更新: 2025/12/19

日本が困ったとき、そっと手を差し伸べてくれる国がある。台湾だ。
中国が日本に経済的な圧力を強める中、台湾社会では「日本を支えよう」という温かい動きが広がっている。

台湾の頼清德(らい・せいとく)総統は、Xに日本産の海産物を使った寿司を食べる様子を投稿し、日本を応援する姿勢を示した。この姿勢をより具体的な行動に移す形で、台北駐日経済文化代表処の李逸洋(り・いつよう)代表(大使に相当)は、台湾の人々に向け、「日本の農産物や水産物を積極的に購入するよう」呼びかけている。

 



台湾・頼総統 日本の水産物使った昼食の様子投稿 中共の輸入停止受け日本支援か

中国共産党政権が日本産水産物の輸入を停止したことを受け、台湾の頼清徳総統は20日、SNS「X(旧Twitter)」に日本産海産物を使った食事の様子を公開。中共政権が輸入停止した生産物に関して、日台間で相互に買い支えや支援の動きが見られる

 

この発信は台湾の人々から強い共感を集めた。台湾の一部スーパーでは「台日友好応援月」と名付けたキャンペーンが始まり、日本産ホタテを中心に購入を後押ししている。支援は一時的なブームではなく、台湾社会の意思をはっきりと示す動きとなった。

今回、中国が日本産水産物の輸入を止めたことで、特に大きな影響を受けているのが日本産のホタテだ。中国はかつて、日本産ホタテの最大の輸出先で、いわば「お得意様」だった。現在、台湾は日本産ホタテの輸入先として第2位だが、李代表は中央通訊社の取材に対し「今後は最大の購入国になることを目標に、日本側の経済的打撃を少しでも抑えたい」と述べ、強い意欲を示した。

李代表は、今回の支援が突然のものではないと語る。2021年、中国が台湾産パイナップルの輸入を止めた際、日本が大量購入で台湾を助けたこと。新型コロナウイルスの流行時、日本が台湾にワクチンを提供したこと。そうした「恩」があるからこそ、今度は台湾が日本を支える番だという。

日台の結びつきは、数字にも表れている。日本から輸出されるリンゴの約8割、ブドウの約6割は台湾向けだ。人口約2300万人の台湾は、日本の農水産物にとって欠かせない存在になっている。

観光面でも同じだ。日本への訪日客数では台湾は世界第3位で、昨年は604万人が日本を訪れた。今年はすでに10月までで560万人に達し、年間では660万人を超える見通しだ。消費額は年間約1兆1千億円に上り、訪日客数で最も多い韓国の消費額0.94兆円を上回る。台湾の人々が、日本で多くのお金を使う現実がある。

李代表は、地域を取り巻く情勢が不安定になるほど、日台の友情と経済的な支え合いは重要になると強調する。食品から観光まで、両者が協力することで、日本は特定の国への依存を減らし、より安定した関係を築くことができるという。

かつて日本が助け、いま台湾が支える。そのやり取りに、多くの言葉は要らない。ホタテ一枚一枚に込められた「ありがとう」が、静かに日本へ届いている。

 

台北駐日経済文化代表処の李逸洋(り・いつよう)代表(中央通訊社より)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!