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愛媛で梅毒が過去最多 155例に急増

2025/12/23
更新: 2025/12/23

愛媛県内において、梅毒の感染がかつてない規模で拡大している。12月19日に愛媛県感染症情報センターが発表したの資料に基づき、現在の発生状況とその背景、今後の予測について解説する。

愛媛県内における梅毒の急増と現状

愛媛県内の梅毒届出数は、1999年の調査開始から2015年までは年間0〜8人と極めて少数で推移していたが、2016年以降に急増へと転じた。2023年には過去最多の142例を記録し、2024年も141例と高水準が続いた。特筆すべきは2025年の状況であり、12月19日に愛媛県感染症情報センターが発表した情報によると、12月17日時点で既に155例に達し、過去最多を更新している。

地域別では、松山市保健所管内が全体の約6割を占めているが、西条、今治、四国中央などの各保健所でも届出が増加しており、県内全域での動向に注意が必要な状況だ。

感染者の属性と感染経路

感染者の年齢層と性別には顕著な傾向が見られる。

  • 男性: 20歳代から50歳代と幅広い層で発生しており、2024年および2025年のデータでは特に40歳代や20歳代の割合が高い。
  • 女性: 20歳代に集中しており、2024年には女性全体の約44%を占めている。

主な感染経路は男女共に異性間の性的接触が大部分を占める。これには通常の性交だけでなく、口腔性交(オーラルセックス)による感染も年間10例前後報告されている。また、感染背景として性風俗産業の利用歴や従事歴が挙げられ、男性感染者の半数以上(2025年は54.9%)に直近6か月以内の利用歴があり、女性感染者の約20%前後に従事歴が確認されている。

自覚症状の消失という落とし穴

梅毒が拡大する大きな要因の一つに、その特異な症状経過がある。感染早期(第I期)には感染部位にしこりやリンパ節の腫れが生じるが、これらは治療をしなくても一時的に軽快する。その後、数ヶ月を経て全身に発疹(第II期)が現れるが、これも再び自然に消失する。

この「症状が消える」という性質が、感染者に治癒したとの誤認を与え、無自覚なまま他者へ感染を広げるリスクを高めている。適切な治療が遅れれば、数年後に脳や心臓に重大な合併症を引き起こし、死に至る可能性もあるほか、妊婦の感染は死産や新生児死亡、先天梅毒の原因となる。

こうした無自覚な感染拡大の可能性を含め、県内全域において注意を要する状況にある,。

愛媛県感染症情報センターの情報によると、梅毒は早期に発見し、適切な抗菌薬治療を行えば完治が可能である,。今後の感染拡大を食い止めるためには、症状の有無にかかわらず、不安がある場合には保健所での無料匿名検査などを積極的に利用し、パートナーと共に早期発見・早期治療に努めることが不可欠である。

大紀元日本の速報記者。東京を拠点に活動。主に社会面を担当。その他、政治・経済等幅広く執筆。