30日の金融市場は、中東情勢の緊迫化を背景に、株価の急落と急激な円安が同時に進行する波乱の展開となった。これを受け、財務省の三村淳財務官は就任後初めてとなる強い表現で為替介入の可能性を示唆し、市場を強く牽制した。
週明け30日の東京株式市場では、日経平均株価が大幅に続落し、一時2800円を超える下げ幅を記録、節目の5万1千円を下回った。一時は5%を超える下落となる場面もあった。米国・イスラエルとイランの戦闘長期化への懸念が広がり、投資家のリスク回避姿勢が強まったことで、米国市場の下落の流れを引き継ぐほぼ全面安の展開となった。
外国為替市場では、中東有事の先行き不透明感から基軸通貨であるドルに需要が集まる「有事のドル買い」が優勢となった。加えて、ニューヨーク市場で米国産標準油種(WTI)が1バレル=99.64ドルと約3年8か月ぶりの高値を付けたことなど、原油高もドル買い・円売り圧力を強めた。
この結果、30日朝方の東京市場で円相場は一時1ドル=160円46〜47銭まで下落し、政府・日銀による前回介入が行われた2024年7月11日以来の安値を更新した。
こうした急速な円安進行を受け、三村財務官は30日朝、記者団に対し「この状況が続けば、そろそろ断固たる措置も必要になる」と述べ、介入の可能性を示唆した。同氏は、原油先物市場と為替市場の双方で投機的な動きが高まっているとの認識を示し、「我々の照準は全方位に向けている」とも語った。
三村氏が「断固たる措置」との表現を用いたのは、2024年7月末の財務官就任以降で初めてである。この発言を受け、円は買い戻され、一時160円を割り込み159円台へと下げ幅を縮小した。
政府・財務省は、円相場の下支えに向け、為替市場への直接介入に加え、原油先物市場への介入の可能性も視野に入れている。複数の市場関係者によると、財務省は国内主要銀行に対し、原油先物市場への介入に関する見解をヒアリングしたという。片山さつき財務相も27日時点で、石油関連の動きに引きずられた投機的な動きへの強い警戒感を示していた。
市場関係者の間では、当局の牽制により相場の上値は重くなるとの見方がある一方、イラン情勢が混沌とする中では時間稼ぎにとどまるとの指摘も出ている。円相場の160円台という水準を巡り、政府・日銀の次の対応に市場の緊張が高まっている。
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