「中国へ帰ったら、もう自由に海外へ出られなくなるのではないか」
そんな不安が、中国本土だけでなく海外の華人社会にも広がっている。
9月に新たな出入国管理規則が施行される予定だが、その前から各地で異変が起き始めた。公立病院では職員にパスポートや香港・マカオ渡航証の提出を求める動きが広がり、海外へ渡航する際は職場の許可が必要になった。契約職員や、すでに退職した職員まで出入国歴の報告を求められたケースもある。
影響は一般市民にも及び始めている。SNSでは「パスポートをオンライン申請したが通らなかった」「退役後の守秘義務期間が終わったのに、今もパスポートを取得できない」といった投稿が相次いでいる。
中国政府は7月31日、新たな出入国管理規則を公布し、9月15日に施行すると発表した。規則では、危険性の高い国や地域への渡航を思いとどまるよう促すことなどを盛り込んでいる。一方、職場によるパスポートの回収や一般職員への渡航制限については明記していない。
それにもかかわらず、現場では制度の施行を待たずに管理だけが先行している。体制内関係者は「上級機関の指示」と説明するが、正式な通知は示されておらず、多くの人が理由も分からないまま従わざるを得ない状況に置かれている。
中国では今、「海外へ自由に行ける」という当たり前の権利が、少しずつ狭められつつある。その変化を最も敏感に感じ取っているのは、中国国内だけでなく、帰国後に再び出国できなくなることを懸念する海外の華人たちである。
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