米連邦最高裁は8月31日、ホワイトハウスの大宴会場建設工事を継続できるとの判断を示し、地上工事を差し止めた下級審の命令を停止した。ドナルド・トランプ大統領は、この事業は国家安全保障上必要だと主張している。
最高裁は5対4で、議会の承認が得られない限り、大宴会場の建設範囲を制限するとした下級審の判断を停止した。
今回の暫定命令には、ワシントンからの上訴案件を担当するジョン・ロバーツ最高裁長官が署名した。
ただ、ロバーツ氏は今回の判断では少数派に回った。同氏は3人のリベラル派判事とともに反対し、反対意見を執筆した。議会の承認を得ていないため、この事業は「違法である可能性が高い」と指摘した。
一方、保守派判事5人で構成する多数派は政府の申し立てを支持し、工事の継続を認めた。
多数派は、事業そのものが合法かどうかについては判断しなかった。ただ、非営利団体「全米歴史保存トラスト」がホワイトハウスの大宴会場建設を巡って訴訟を起こす法的資格を有していない可能性があるとした。
多数派の意見書に署名はなく、政府が主張する、この事業によって解決される国家安全保障上の問題にも言及した。
事件は下級審へ差し戻され、改めて審理される。ただ、裁判資料によると、工事の重要部分は数カ月以内に完成する可能性がある。政府は、全体の工事はすでに65%が完了し、2028年8月に完成する見通しだとしている。
下級審は地下工事のみ容認
最高裁が停止したのは、コロンビア特別区連邦巡回区控訴裁判所が8月初めに示した判断である。
同裁判所の合議体は、リチャード・レオン連邦地裁判事が出した修正後の仮差し止め命令を維持し、ホワイトハウスの新大宴会場の全面工事を差し止めた。地下工事については継続を認めていた。
トランプ政権がこの判断に対して緊急上訴した後、ロバーツ氏は8月21日、下級審の工事停止命令の執行を一時的に猶予する命令に署名した。
工事停止命令は同日に発効する予定だったが、猶予命令によって建設工事の一時的な継続が認められた。最高裁判事がトランプ政権の緊急上訴を検討するための時間も確保された。
ロバーツ氏は8月31日の反対意見で、議会はワシントンの連邦政府所有地に、いかなる「建物または構造物」を建設することも明確に禁じていると指摘した。行政府に今回の事業を認める法律も、議会では成立していないとした。
建設費4億ドル、民間寄付で負担
トランプ政権によると、ホワイトハウス大宴会場の建設費は4億ドルで、全額を民間の寄付者や企業が負担する。ただし、この金額には地下の安全保障用施設の費用は含まれていない。
トランプ氏は最高裁に提出した文書で、「古典的な様式でありながら高度な安全性を備えた大宴会場と、国家安全保障上極めて重要な複数の施設を含む、高度に統合された軍事複合施設」を建設していると説明した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。