米郵政公社(USPS)は27日、トランプ政権の大統領令に基づいて策定した郵便投票に関する新規則の運用を始めたと発表した。新規則は11月の中間選挙に適用される。
郵便投票の本人確認、民主党州が反発
米CBSニュースによると、新規則では、各州の選挙当局に対し、郵便投票用紙を発送する予定の有権者の氏名と住所を郵政公社に提出するよう求めている。また、必要に応じて郵便投票を確認できるよう、統一された基準に基づいて投票用紙の封筒を作成することも求めている。
これに対し、民主党系の司法長官がいる23州とペンシルベニア州、首都ワシントン(コロンビア特別区)は26日、関連措置の実施を阻止するようマサチューセッツ州の連邦地裁に求め、改めて提訴した。
原告側は、新規則が州政府に認められている選挙管理の権限に介入するものだと主張している。また、行政上や技術上の問題が生じれば、投票資格のある有権者の投票に影響する可能性があるとしている。
訴訟は、民主党系23州の司法長官、ペンシルベニア州知事、コロンビア特別区が共同で起こした。
原告となった州は、アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、コネティカット、デラウェア、ハワイ、イリノイ、メーン、メリーランド、マサチューセッツ、ミシガン、ミネソタ、ネバダ、ニュージャージー、ニューメキシコ、ニューヨーク、ノースカロライナ、オレゴン、ペンシルベニア、ロードアイランド、バーモント、バージニア、ワシントン、ウィスコンシンの各州。
訴訟に参加したニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は声明で、「全米の各州は2026年選挙に向けて準備を進めている。今になって連邦政府がこうした準備に介入し、無数の米国人の投票権を危険にさらそうとしている」と批判した。
ジェームズ氏は、郵政公社の政策が政府による「より広範な取り組み」の一環だと指摘し、「連邦選挙法を作り替え、州と議会の権限を奪おうとしている」と主張した。その上で、「米郵政公社には、誰が郵便投票を利用でき、誰が利用できないかを決める権限はない」と述べた。
支持者「選挙の安全を守る常識的措置」
一方、規則を支持する側は、郵便投票を適切に確認・管理することが、不正利用を防ぎ、選挙の安全性を確保することにつながると訴えている。
ホワイトハウスのローレン・ビス報道官は26日の声明で、郵政公社の措置について「郵便投票の安全を守るための常識的な措置だ」と評価した。政府として今後も措置を推進し、「選挙の安全性を高め、確保する」としている。
トランプ大統領は3月31日、大統領令14399号に署名し、連邦選挙の本人確認強化と郵便投票に関する手続きを郵政公社に指示した。
これを受けた地裁の差し止め命令を、連邦最高裁は24日、6対3で取り消した。ただし、大統領令の適法性は判断していない。
地裁判事は26日、差し止めを撤回したが、選挙の混乱や違憲の可能性を指摘した。11月3日の中間選挙を前に、訴訟は続いている。
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