トランプ氏の搭乗ヘリ 旅客機と異常接近 通信不良が原因か

2026/08/28
更新: 2026/08/28

米国家運輸安全委員会(NTSB)は27日、トランプ米大統領を乗せた大統領専用ヘリ「マリーンワン」が8月初め、飛行中に民間旅客機と異常接近した件について、予備調査報告書を公表した。

報告書によると、8月4日午後、トランプ氏を乗せたマリーンワンがホワイトハウス南側のエリプスを離陸する前、乗員はロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港の航空管制官への連絡を2度試みたが、いずれもつながらなかった。

空港の管制塔と連絡できなかったため、乗員は近くの米軍アナコスティア・ボリング統合基地にあるヘリコプター関連施設を通じて、離陸3分前の事前通知を送ろうとしたが、これも失敗した。

このため空港の管制官は事前通知を受け取れず、規定通り、マリーンワンの離陸前に他の航空機の離着陸を一時停止して空域を確保する措置を取らなかった。

米連邦航空局(FAA)の初期推計では、通信ができなかったことで、トランプ氏を乗せたヘリと離陸直後の旅客機が異常接近した。両機の水平距離は約0.82海里(約1.5キロ)、高度差は約700フィート(約210メートル)だった。

けが人はなく、両機にも損傷はなかった。その後、両機はそのまま飛行を続け、さらなる問題は起きなかった。

旅客機の乗員によると、離陸後に上昇しながら加速していた際、空中衝突防止装置が「Traffic, Traffic」と警告した。パイロットはマリーンワンを目視できなかったが、コックピットの表示には、自機の右下方にヘリがいることが示されていた。

マリーンワンはその後、通信が安定する高度まで上昇し、空港の管制塔との交信に成功した。管制官が他機の存在を知らせると、ヘリの乗員は旅客機を目視したと直ちに報告した。

FAAの技術者が事後に調べたところ、空港の無線送受信施設とエリプスの間では、安定した無線通信に必要な見通しが確保されていなかったことが分かった。

当時、ホワイトハウスでは工事が行われていたため、マリーンワンは一時的にエリプスから離着陸していた。

NTSBはFoxニュースに対し、今回の予備報告書について「現時点までに得られた事実関係を示すことを目的としている」と説明し、原因に関する分析や結論は含まれていないとした。

また、「調査は現在も続いており、予備報告書に記載された情報以外についてはコメントしない」としている。

李馨