米当局者は、中国が2028年までに台湾への武力侵攻に踏み切る可能性は、これまでの見方より低下しているとの見方を示している。中国軍の戦備の遅れに加え、2028年に予定される台湾総統選の結果を北京が見極めた上で、台湾への対応を判断することなどが背景にある。ただ、米当局者は、台湾海峡をめぐるリスクがなくなったわけではないとしている。
ロイター通信が最近、複数の米政府当局者や関係筋の話として報じた。関係筋によると、中国軍内部で続く反腐敗運動や人事刷新が、軍の戦備の進展に影響を及ぼしている。大規模な台湾侵攻を実施するには、なお多くの準備が必要だという。
台湾有事をめぐっては、「2027年」が中国軍の能力整備の節目として、長く注目されてきた。米情報機関は、習近平が中国軍に対し、2027年までに必要に応じて台湾を武力攻撃できる能力を整えるよう求めていると分析している。
ただし、これは習近平が2027年に開戦することを決定したことを意味するものではない。2027年は、あくまで台湾を武力攻撃できる軍事的な能力を整える目標として位置づけられている。
ロイターによると、米当局者は、中国軍がロシアによるウクライナ侵攻などからも教訓を得ていると指摘している。大規模な軍事作戦では、早期に目標を達成し、長期的な消耗戦を避ける必要があるとの認識を中国軍が強めているという。
一方、2028年には台湾総統選が予定されている。北京は選挙結果を見極めた上で、台湾側への対応を判断するとされる。
台湾国防部は10月1日、米中首脳会談後、米側から複数の経路を通じ、米国の対台湾政策に変更はないとの確認を繰り返し受けていると明らかにした。
同部の喬福駿・報道官は、米側との緊密な意思疎通を続け、各種案件の進展に努める考えを示した。
中国軍による台湾周辺での軍事活動も続いている。台湾国防部によると、9月30日から10月1日にかけて、中国軍機23機、中国軍艦7隻、公務船7隻の活動を確認した。このうち16機が台湾海峡の中間線を越え、台湾北部、中部、南西部の空域に進入した。
米当局者は、中国共産党(中共)政権が近い時期に台湾への武力行使に踏み切る可能性はこれまでの見方より低下している一方、実際に武力行使に踏み切る時期については不確実性が高まっているとみている。台湾海峡をめぐるリスクは、依然として残っているとしている。
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