米ファイザーとCEOを提訴 コロナワクチンの安全性など巡り フロリダ州司法長官

2026/10/06
更新: 2026/10/06

米製薬大手ファイザーとアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)が、新型コロナウイルスワクチンの安全性や有効性についてフロリダ州の住民を誤解させたとして、同州のジェームズ・ウスマイヤー司法長官から提訴された。訴状は10月1日、フロリダ州巡回裁判所に提出された。

訴状では、ファイザーがワクチン接種に伴う安全上のリスクについて消費者に十分な情報を提供しなかったと主張している。

ファイザーは2021年4月1日の声明で、2回目の接種から6か月後まで「深刻な安全上の懸念はない」と説明していた。また、ブーラ氏は2023年の米CNBCのインタビューで、ワクチンについて「データを常に検証、分析している」とした上で、数十億回分を供給してきたが「安全性に関するシグナルは一つも確認していない」と述べた。

これに対し、フロリダ州のジェームズ・ユースマイヤー司法長官は提訴後の動画声明で、ファイザー側が10代や若年成人における心筋炎について把握していたことを十分に説明していないと主張した。さらに、脳卒中や死亡を含む多数の有害事象の報告があったほか、妊娠初期の女性や胎児へのリスクを知る理由もあったとしている。

心筋炎巡り主張対立

米国とイスラエルの当局は2021年、ファイザーと米モデルナの新型コロナワクチンについて、心筋炎などの健康上の問題に関する安全性のシグナルを確認した。米国の規制当局も同年、ワクチンの表示に心筋炎などのリスクに関する警告を加えた。

訴状によると、ファイザーは当時、自社ワクチン接種後に心筋炎が発生したとの報告を把握していた。しかし、同社はワクチンとの因果関係は確認されていないとの立場を示していた。

米疾病対策センター(CDC)は2023年、ブーラ氏のインタビュー後に公表した情報で、ワクチンと心筋炎との間には因果関係があるとの見解を示した。

ファイザーは現在、自社のウェブサイトで、データから「心筋炎や心膜炎のリスク上昇が示されている」と説明している。特に接種後1週間以内にリスクが高まるとしている。

妊婦への影響も争点に

訴状では、妊婦と胎児へのリスクについてもファイザー側が認識する理由があったと主張している。

具体的には、ラットを使った試験で胎児の異常が確認されたことや、2021年初めまでにファイザー製ワクチン接種後の流産に関する報告が寄せられていたことを根拠として挙げている。

これに対しファイザーは、オーストラリアの規制当局への提出資料で、ラット試験で確認された異常の発生率上昇について「治療に起因するものとは考えられない」と説明している。

同社の現在のワクチン表示では、妊娠24週未満の女性への使用について、先天性異常や流産のリスクを評価するための十分なデータはないとしている。

「感染拡大防止」の説明も問題視

訴状はまた、ファイザーとブーラ氏が、感染拡大を防ぐためにはすべての人がワクチンを接種する必要があるかのように説明したことも問題視している。

ブーラ氏は2020年12月のインタビューで、ワクチンを接種しないという選択について、「自分の健康や命だけに影響するものではない」と述べ、接触する機会の多い家族らの命にも影響する可能性があるとの趣旨の発言をしていた。

一方、米食品医薬品局(FDA)は同月、ワクチンが新型コロナウイルスの感染伝播を防ぐことを示す証拠はないとしていた。ファイザーの幹部も2022年、同社のワクチンについて、感染伝播を止める効果を検証する試験は行っていなかったと説明している。

フロリダ州側は、こうした説明などが州の消費者保護法などに違反するとして、裁判所に認定を求めている。違反1件につき1万~1万5千ドル(約150万~225万円)の罰金を科すよう請求している。

ファイザーを巡っては、テキサス州の司法長官も同様の訴訟を起こしている。

ただ、米連邦地裁は昨年、ファイザーにはこうした請求に対する免責が連邦法によって認められているとして、訴えを退けた。

今回のフロリダ州の訴訟でも、ワクチンの安全性や有効性に関するファイザー側の説明が州法上の消費者保護規定に違反したかどうかに加え、連邦法による免責がどのように適用されるかが争点となる。

メリーランド州に拠点を置く大紀元のシニアリポーター。主に米国と世界のニュースを担当。