中国共産党政府に法輪功学習者の動向など情報提供した中国系男性 米司法省が国籍剝奪求め提訴 

2026/10/06
更新: 2026/10/06

米司法省は10月5日、帰化した40人の米国籍を取り消すと発表した。この中には、中国共産党(中共)のために法輪功学習者の情報を収集していた中国系男性、李平(61)が含まれる。李は外国政府の代理人として活動した罪で禁錮4年を言い渡されている。

李は30年以上前に中国本土から米国に移住し、米国籍を取得してフロリダ州に定住した。南フロリダ大学で数学とコンピューター科学の2つの修士号を取得。1998年からベライゾン・ビジネスでソフトウエアエンジニアとして勤務し、2018年にインドの情報技術企業インフォシスに転職した。

しかし、2012年以降、中国国家安全省の職員の指示を受け、米国内で中共政府が関心を持つ情報を長年収集し、同省に報告していた。対象には、中国人反体制活動家や民主化運動の提唱者、法輪功学習者、米国の非政府組織に関する情報が含まれていた。

李はさらに、勤務先2社の機密情報も中国国家安全省に売り渡していた。

2024年7月24日、米司法省は、司法省に登録せず中国共産党の代理人として活動したとして、フロリダ州の中国系男性、李平(Ping Li、音訳)を起訴したと発表した。李は2012年以降、中共の情報機関の指示に従い、米国内の中国人反体制活動家や民主化運動の提唱者、宗教団体のメンバー、米国の組織に関する情報を提供した罪に問われた。米国の法輪功学習者の個人情報も含まれていた。(Pinellas County Sheriff’s Office)

米司法省、李平の国籍剝奪を求め提訴

米司法省は10月5日、米国法典第18編第371条と第951条(a)に違反したことを理由に、李の米国籍剝奪を求める訴訟をフロリダ州中部地区連邦地裁に起こしたと明らかにした。

司法省は声明で、「李の行為は、米国に帰化した時点で、米国憲法の原則を支持せず、米国の良好な秩序と幸福を望んでいなかったことを示す一応の証拠となる。このため、米国は、帰化による市民資格の取り消しを求め、1項目の請求からなる訴訟を提起した」と述べた。

これは、李が刑期を終えた後、速やかに中国に送還されることを意味する。

中国国家安全省に10年以上情報を提供

大紀元が入手した21ページの司法取引合意書によると、李は連邦捜査局(FBI)の取り調べを受けた際、当初、湖北省武漢の国家安全当局職員との接触や情報提供などを否定していた。しかし、FBIが証拠を示すと、勤務先の社内サイバーセキュリティー資料を含む情報を提供していたことを認めた。

李は2012年以降、何度も中国に帰国して国家安全当局の職員と面会し、その指示に従って情報を収集していた。対象は法輪功学習者の動向、米企業の事業情報、非政府組織(NGO)の運営の仕組みなどだった。国家安全当局との通信には、活動の痕跡を隠すため、偽の電子メールアカウントを使用していた。

2017年と2022年には、国家安全当局の求めに応じ、勤務先のサイバーセキュリティー研修資料を提供した。また、中国から米国に逃亡したとされ、国際刑事警察機構(インターポール)の国際手配の対象となっていた人物の追跡に協力するよう求められていた。

李の弁護士、ダニエル・フェルナンデス氏は地元紙タンパベイ・タイムズに対し、李とその国家安全当局職員は幼なじみで、当初は雑談を中心としたやり取りだったが、次第に「巻き込まれていった」と説明した。李はその後、情報提供をやめれば、自分や家族に危害が及ぶかもしれないと恐れるようになったという。

李の高齢の母親は、現在も中国本土にいるとされる。

法輪功学習者による中国共産党高官への海外訴訟の情報を収集

2012年8月12日、国家安全当局の職員は李に次のメールを送った。

「法輪功学習者が中国(中共)の官僚を相手に起こそうとしている訴訟の最新状況を調べてほしい。また、民主化運動の活動家の最近の動向も知りたい。誰を知っているのか。名前や経歴などの情報を提供してほしい」

当時、「江沢民を裁く世界連盟」は、中共の元最高指導者、江沢民と、ほかの30人以上の党高官に対する訴追を推進していた。

8月18日、李は国家安全当局に返信し、フロリダ州セントピーターズバーグに住む法輪功学習者1人の個人情報も提供した。李によると、この人物はフロリダ州の弁護士で、法輪功関連の刊行物に記事を執筆したことがあり、李の妻に法輪功の書籍を貸していた。

起訴状は、「法輪功が提唱する理念は、中華人民共和国(中国共産党、PRC)政府から体制を転覆させる思想と見なされているため、中国(中国共産党)政府は国内外の法輪功修練者に特に強い関心を持っている」と記している。

8月23日、国家安全当局の職員は、フロリダ州の弁護士に関する情報提供に謝意を示し、さらに情報を求めた。

「都合のよい時に地元の中国人コミュニティーと接触し、中国共産党第18回党大会の開催前に民主化運動の活動家がどのような動きをしているか注意してほしい。同時に、知り合いの中にCIAやFBIで働いている者がいないかにも注意してほしい」

李は「注意深く見守る」と応じた。

2013年4月27日、国家安全当局は、法輪功に関する書籍を執筆したイスラエル人著者2人の情報を李に求めた。4月29日、李は著者とそのSNSに関する公開情報を提供した。

2014年9月15日、国家安全当局の職員は、湖北省出身の人物に関する情報を李に求めた。その際、この人物の経歴に加え、カリフォルニア州の住所、電話番号、車のメーカーと車種を伝えた。職員によると、この人物は法輪功の活動に参加し、カリフォルニア州の中国領事館前で抗議したことがあった。

李は同日、この人物について国家安全当局に報告した。9月17日には、さらにインターネットで検索し、その結果を職員に送った。

勤務先の情報も中国国家安全当局に提供

2015年、李は自分の勤務先に関する情報も中国国家安全当局に提供した。

2017年3月、中国国家安全当局の職員は李にサイバーセキュリティー研修の指導計画を求めた。同年4月、李は職員と共有するオンラインアカウントに資料をアップロードしたと返信し、読んだ後に削除するよう求めた。

2021年、中国側の職員は李にメールを送り、米企業を標的とした「ソーラーウインズ」のハッキング事件に関する情報を要求した。この中には、「中国(中国共産党)政府による米大手企業への注目を集めたハッキング攻撃」も含まれていた。李は4日以内に、ハッキング攻撃に対する米政府の対応について情報を提供したとされる。

2022年3月、李はこの職員に、サイバーセキュリティー研修資料を含む転職先の情報を送った。

検察、ほかの違法な外国代理人への警告と強調

李は2024年7月20日に逮捕された。同年8月19日、フロリダ州の裁判所で、司法長官への事前通知をせずに中共政府の代理人として活動したとして、「外国代理人として活動するための共謀」の罪を認めた。

11月25日、禁錮4年と罰金25万ドルを言い渡された。

検察官は量刑に関する意見書で、「被告は10年以上にわたり、米国の国家安全保障を損なうことを目的とする敵対的な外国情報機関と、事情を認識しながら故意に協力してきた。中国(中共)の情報活動は、米国の国家安全保障、知的財産、経済の活力に対する最大の長期的脅威の1つと広く認識されている」と述べた。

ダニエル・マーセット連邦検事補は法廷で、李に実刑を科すことは、「米国内で秘密裏に活動する外国工作員に、『あなたたちは逮捕され、その行為に対して重大な責任を負うことになる』という明確なメッセージを発するために極めて重要だ」と述べた。

李は法廷で判決を受けた際、声を震わせながら、「自分がしたことのすべてを後悔している。深く愛する米国に対し、強い罪悪感を抱いている」と語った。

李は当時、自分の行為が米国の法律に違反するとは知らなかったと述べた。

「今振り返ると、当時の自分がいかに愚かで無知だったかが分かる」と話した。

しかし、担当のスティーブン・D・メリデイ判事は李の説明を受け入れなかった。

判事は李に、「一言言わなければならない。あなたが手助けした国の法廷に立っていないのは、本当に幸運なことだ」と述べた。

「中華人民共和国という名の、あの不条理な国の法廷で、どのような判決を受けることになるか、あなたは分かっているはずだからだ」

編集責任者:林姸

林燕