アメリカ連邦捜査局（FBI）の捜査官は、2021年1月5日にコロンビア特別区（D.C.）にパイプ爆弾を設置したとされる男を逮捕したと当局が12月4日に発表した。

保釈保証業者（Bail Bondsman）の従業員であるブライアン・コール・ジュニア（30歳）は、パイプ、エンドキャップ、電線、バッテリー、その他の材料からなる爆弾を、コロンビア特別区の共和党全国委員会（RNC）と民主党全国委員会（DNC）の建物の近くに設置したとして告発されている。コールは州境をまたぐ爆発物の輸送と、爆発物を用いた施設破壊の未遂の罪で起訴された。

捜査当局が入手し、連邦裁判所に提出された告発を裏付ける宣誓供述書に記載されている記録によると、コールは2019年から2020年にかけてホームデポやウォルマートなどの店舗で、爆発装置の製造に使用したパイプやキッチンタイマーなどの品物を購入していた。

FBI捜査官が宣誓供述書に記したところによると、携帯電話の記録からコールは2021年1月5日に建物の付近にいたことが確認され、彼が所有する日産セントラがその日の夜にその地域を走行しているのが目撃された。

「今日の逮捕は、トランプ政権がこの事件を優先事項としたために実現した」と、パム・ボンディ司法長官は記者会見で述べた。「新たな情報提供や目撃者が現れたわけではなく、ひたすら警察と検察による地道で粘り強い捜査があったからこそ、今回の逮捕に繋がった」とボンディ長官は付け加えた。

カッシュ・パテルFBI長官は記者会見で、新しい情報はないが、新しい捜査官と専門家のチームが既存の証拠を精査し、最終的にコールの逮捕につながる新たな手がかりを生み出したと述べた。

パテル長官は、300万件の「情報線」が徹底的に調べられたと述べ、コロンビア特別区のジャニーヌ・ピロ連邦検事は、捜査には爆弾製造に使われた種類の黒いエンドキャップ233,000個の販売を調べ、パイプ、電線、その他の材料の購入との共通点を見つけ出す作業が含まれていたと述べた。

当局によると、コールはバージニア州ウッドブリッジで母親や他の親戚と同居している。裁判記録には彼の弁護士は記載されていなかった。彼に関連付けられたアドレスに送信された電子メールは未回答のままだ。

当局によると、コールに関連する場所では現在も捜索が続いており、事件全体に対する捜査は継続中である。そのため、今後、さらに追加の罪状で起訴される可能性もあるという。

1月6日の調査を行う下院特別小委員会の委員長であるバリー・ラウダーミルク下院議員（共和党、ジョージア州）はXで、「FBIによる1月6日のパイプ爆弾犯とされる人物の逮捕は、約5年間この国を悩ませてきた謎における驚くべき突破口だ」と述べた。「FBIの勤勉さと、文書、情報提供者の情報、その他の証拠を共有するという私の特別小委員会との継続的な協力に感謝したい」と述べた。

パイプ爆弾と捜査

FBIは約5年間、パイプ爆弾の捜査を続けてきたが、これまで逮捕者はいなかった。DNCとRNCの事務所の外に爆弾を設置した人物に関する情報に対して50万ドルの報奨金を提供していたにもかかわらずだ。

FBIが爆弾を設置した人物だとした監視カメラの映像には、ほとんど特徴が映っていなかった。その人物は、フード付きスウェットシャツ、マスク、黒い手袋を着用していた。

どちらの爆弾も爆発しなかった。法執行官は、翌日、議会が2020年大統領選挙の結果を認定するために連邦議会議事堂に集まった際に、それらを発見した。

FBIは、爆弾が爆発する可能性があったと述べている。「幸いにも、これらの爆弾は爆発しなかったが、確実に爆発する可能性はあった」と、FBIワシントン現地事務所担当補佐官のダレン・コックスは木曜日に述べた。

元FBI高官のスティーブン・ダントゥオーノは2023年に議会議員に対し、爆弾に付いていたタイマーの構造上、爆発することはなかったと述べていた。

議会の委員会は1月に、FBIがこの事件で何人かの重要参考人を特定したが、まだ容疑者を特定しておらず、追求した手がかりについて議員に追加情報を提供することを拒否したと述べた。

FBIのダン・ボンジーノ副長官は春にXで、彼とパテル長官が就任した後、パイプ爆弾捜査を含む事件に追加のリソースを割り当てる決定をしたと書いた。

パテル長官は木曜日にXで、「ダン・ボンジーノと私が3月にFBIに来たとき、パイプ爆弾捜査は5年間行き詰まっていた」と述べた。「我々はゼロからそれを再構築した。あらゆる手がかりを再実行し、あらゆる証拠を再検査し、最高の専門家を招集し、最終的に容疑者を特定する突破口を開くために新しい技術を展開した」と述べている。