スターリンク イランで無料通信を開始 

2026/01/15
更新: 2026/01/15

スペースXは、イラン当局が反政府デモへの対応としてインターネット通信を遮断したことを受け、イラン国内で衛星通信サービス「スターリンク」を無料で利用できるようにした。イランの活動家団体が1月13日に明らかにした。

活動家団体NasNetはX稿で、NasNetとスターリンク、アメリカ当局との協議の結果、スターリンクがイランの利用者に対し、利用料金を免除したと発表した。

投稿では「数週間にわたる交渉と協議を経て、スターリンクチームおよびアメリカ当局の協力のもと、無料での利用を実現した」としている。

NasNetはまた、利用者に向けて具体的な利用方法も案内した。

「端末の電源を入れるだけで利用できる。ただし、機器の設置場所を目立たせないことや、スターリンクのIPアドレスを隠すこと、無線LAN名の変更を忘れないでほしい」と呼びかけた。

イランのデジタル権利団体Filterbaanもこの投稿を共有し、イラン国内でスターリンクが無料で利用できることを確認した。

「これは事実であり、もはや噂ではない」と投稿した。

NasNetは1月11日、スターリンクの技術チームと協力して、当局による妨害電波の影響で発生していた通信データの損失率を35%から約10%まで低減させたと発表した。一方で、政権側が妨害を続けているため、今後も通信状況が悪化する可能性があると警告している。

同団体は「妨害との戦いはいたちごっこで、状況は再び変わる、あるいはさらに悪化する可能性がある。それでも我々は努力を続ける」としている。

大紀元はスペースXにコメントを求めたが、記事掲載時点で回答は得られていない。

スターリンクは、ウクライナなど混乱や紛争下にある国々でも利用されてきた。最近では、米軍がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領と妻のシリア・フローレス氏を拘束した後、同国でも無料提供を開始している。

トランプ大統領は1月11日、イランの通信環境回復について、イーロン・マスク氏と協議する考えを示していた。

大統領専用機内でトランプ氏は、「彼はこうした分野が非常に得意で、優れた会社を持っている。すぐにでもイーロン・マスクに電話するつもりだ」と述べた。

トランプ氏はこれに先立ち、イラン政権が抗議者に対して殺傷力のある武力行使を強めた場合、アメリカが介入すると警告している。

1月2日には自身のSNSで「イランが平和的な抗議者を銃撃するような事態になれば、アメリカは彼らを救う。準備は整っている」と投稿した。

イランでは、急激なインフレと通貨リアルの暴落を背景に全国規模の反政府デモが続き、1月13日時点で3週目に入った。政権は抗議者への強硬な取り締まりを続ける一方、全国的なインターネット遮断を実施している。

人権団体Human Rights Activists in Iranによると、通信遮断により、重要な情報や緊急サービスへのアクセスが妨げられ、治安当局による人権侵害を独立して記録・検証する作業が困難になっているという。

同団体傘下の人権活動家通信(HRANA)は、1月13日時点で、デモ開始以降、少なくとも抗議者2403人、治安部隊および政権支持者147人が死亡し、約1万8434人が拘束されたと発表している。実際の数はさらに多いとみられている。

米国とアジア太平洋地域のニュースを担当するフリーライター。