トランプ米大統領は突如、中国共産党(中共)がホルムズ海峡の航行問題の「解決を助ける」ことができなければ訪中日程を「延期する可能性がある」と表明し、中南海に対する事実上の「王手」を打った。
中共はいま苦境に立たされているとみられる。中共はこれまでロシア、イランおよびイランの傘下組織の戦争を全力で支援し、米国を最大限牽制しようとしてきた。しかし結果は、ロシアとイランの急速な衰退であり、米国は中共の世界各地の戦略拠点を一つずつ潰しつつある。中国共産党指導部の深刻な戦略誤算は、物事が極まれば必ず反転するという道理を改めて示した。
中共の弱腰は無駄に終わり、トランプが再び圧力を強める
イランは米国とイスラエルの攻撃を受けたが、中共にはイランを救う力もなければ、救う度胸もなかった。8日、王毅外相は全国人民代表大会の記者会見で、「米国の拳は硬い」と認めざるを得なかった。
王毅外相はまた、米中間のハイレベル交流の議題はすでに提示されており、双方が周到な準備を行い、適切な環境を整え、相違を管理し、不必要な障害を排除する必要があると述べた。
中共はトランプ訪中前の波乱を恐れており、イラン問題はおそらく「不必要な障害」とみなされ、当面は放棄せざるを得なくなったとみられる。中共が最も懸念しているのは、トランプが勢いに乗じて中共政権の交代にも言及するか、中共の面目を失わせる発言をすることだろう。現在、中南海では権力闘争が激化しており、外部からの衝撃がいつ制御不能な変数をもたらすかわからない状況にある。
中共は当面、身を縮めて嵐をやり過ごすしかなく、トランプが訪中前に「拳」を振るわないことを願い、新たな譲歩を用意し、トランプが中共の最高指導者にいくらかの面子を残すよう交換条件にしようとしているとみられる。
しかし、中共指導部が懸念していた事態はやはり起きた。3月15日、トランプ大統領は突如、ホルムズ海峡の恩恵を受けている国々は同海峡で問題が起きないよう確保する責任を負うべきだと述べた。トランプ大統領はさらに、「中国も支援すべきだと考える。中国の石油の90%はホルムズ海峡を経由している」と語った。
トランプ大統領の予定訪中日程が迫るなか、トランプ大統領は中共に態度表明を促し、訪中前に回答を求めると述べ、2週間は長すぎるとした。
14日、トランプ大統領はソーシャルメディアで各国に軍艦を派遣してホルムズ海峡の航行を確保するよう呼びかけ、封鎖の影響を受ける国として中国、フランス、日本、韓国、英国などを名指しし、艦艇の派遣を求めた。
各国は相次いで反応したが、トランプ大統領が最初に名指しした中共だけが沈黙を守った。翌日、トランプ大統領は中共を単独で名指しし、中共が速やかに態度を表明しなければ訪中日程を「延期する可能性がある」と述べた。
中共の対米弱腰姿勢は、トランプ訪中前の「障害」を排除できず、トランプ大統領は再び圧力を強め、中共指導部に直接「王手」をかけた。
突然、不測の事態
16日の中国外交部定例記者会見で、記者が中共のホルムズ海峡護衛参加の可否について質問した。林剣・中国外交部報道官は直接の回答を避けた。
2人目の記者が、トランプ米大統領がホルムズ海峡の安全確保への中国の協力を求めたことについて中国側の見解を再び問うたが、林剣報道官は引き続き回答を回避した。
3人目の記者が、中国側は米国の要求にどう回答する準備があるのかとさらに追及した。
林剣報道官は、中国側は「現在の情勢について各方面と意思疎通を維持している」とだけ述べた。
中共指導部は習近平党首とトランプ大統領の会談を入念に準備していたが、突如として不測の事態が生じた。中共指導部はジレンマに陥り、対応に苦慮しており、外交部もその場しのぎの対応に終始した。
さらに別の記者が、現在のイラン情勢が中国の戦略石油備蓄を深刻に消耗しており、戦争が継続すれば石油供給への懸念はあるか、戦争は中国の石油供給にどのような重大な影響を及ぼすかと質問した。
林剣報道官は回答を所管部門に丸投げした。
トランプ大統領はすでに発言し、中共に速やかな回答を要求した。中共が回答しないか拒否し続ければ、米中間に新たな不測の事態が生じる可能性がある。トランプ大統領が訪中を延期すれば、中共の最高指導者は面目を失う。トランプ大統領がさらなる一手を用意していれば、中共はいっそう困惑し、耐えがたい状況に追い込まれる可能性が高い。
中共の回答を待たず、トランプ大統領は訪中延期を発表した。16日、トランプ大統領は、イラン戦争が継続中であることを理由に、3月末に予定していた北京での習近平党首との会談を「1か月程度」延期するよう米国側が要請したと表明した。

中国共産党の二重の窮地
トランプ大統領が要求するホルムズ海峡護衛について、中共が拒否すれば、中共の実力のなさが改めて露呈することになる。
中共はジブチに軍事基地を設置し、海賊対策を名目に中共海軍艦艇を定期的に中東に派遣し、自国の利益を守ると称してきた。いまホルムズ海峡が阻害され、中国の石油輸送路が深刻な遮断の危機に直面しているにもかかわらず、中共は軍艦を保有しながら護衛任務に参加できず、いわゆる「大国」の「実力」がさらに化けの皮を剥がされることになった。
仮に中共が護衛参加に同意すれば、米国主導の陣営に加わり、イラン政権の対立側に立つことを意味する。中共にとって国際政治上の打撃はあまりに大きい。しかも中共の駆逐艦や護衛艦が米軍・連合軍と共同行動すれば、極めてぎこちなく、水準に達せず、なじめない姿を露呈する可能性が高く、虚偽に誇張してきた訓練水準が即座に暴露される。中共の防空兵器が故障し、イランが発射するミサイルや無人機を迎撃できなければ、さらに醜態をさらすことになる。
中共が護衛参加に同意する可能性は極めて低いが、公然と拒否する度胸もおそらくなく、引き続き曖昧でどっちつかずの態度でとぼけ続けるとみられる。トランプ大統領は容易には見逃さないと思われ、中共は少なくとも非公式にトランプ大統領に釈明するか、別の譲歩を迫られるだろう。
米国の虚実入り混じる手法
3月16日、米中の交渉チームがパリで2日間の経済・貿易協議を終えた。ベッセント米財務長官は今回の協議について「建設的だった」と評価し、双方が関税問題や「進行中の(301条)調査」を含む議題を議論したと述べた。ベッセント財務長官は「現在、双方の関係はかなり安定している」との見解を示した。
新華社は速やかに簡潔な報道を配信し、双方がいくつかの議題で初歩的なコンセンサスに達したと伝えた。
外部の関心はトランプ大統領の訪中に集まり、経済・貿易および関税問題が焦点になると予想されていたが、イラン戦争の勃発に伴い状況は変化した。中共は米国産石油の購入を約束する準備をしていた可能性があるが、いまや石油購入という単純な問題ではなくなった。国際石油供給が逼迫するなか、中共は米国産石油を購入せざるを得ない状況に追い込まれる可能性があるが、トランプ大統領の要求はそれにとどまらず、イラン問題での態度表明を中共に迫る性格がより強い。
ベッセント米財務長官は、仮に米中首脳会談が延期されるとしても、トランプ大統領が中共にホルムズ海峡護衛への参加を求めたことが理由ではなく、「ロジスティクス上の理由」だと述べた。
キャロライン・レビット・ホワイトハウス報道官は、トランプ大統領と習近平・中国共産党党首の会談は中止にはならないが「延期される可能性が非常に高い」と述べた。レビット報道官は、最高司令官としてのトランプ大統領の現在の最重要任務は「壮絶な怒り」作戦の持続的成功の確保であると説明した。
中国共産党の「百年の変局」の誤算
米国がパナマ、ベネズエラ、キューバ、イランに相次いで手を打つなか、中国共産党のグローバル戦略は米国によって一つずつ拠点を潰され、中共は窮地の連続に陥っている。トランプ大統領が果敢に行動しているだけでなく、中共の戦略誤算が米国に戦略的好機を自ら提供した結果でもある。
習近平党首はかつて「百年未曽有の大変局」というスローガンを繰り返し、米国との対抗を準備していた。その後、実力が及ばないと見て「東昇西降(東方が台頭し西方が衰退する)」と表現を変えたが、これは一種の軌道修正であり、目標は事実上やむなく変更された。中共は米国と直接対決する能力がないと認識した後、米国の影響力をできる限り削ぐことしかできなくなった。ロシア・ウクライナ戦争を中共は大きな好機と捉えた。
習近平はクレムリンでプーチン大統領に「百年の変局」を吹き込み、ロシアが戦争を通じて米国を釘付けにし続けることを望んだ。モスクワ側も中共が米国に挑み続け、できれば直接対決してくれることを望み、同様に中共に米国を牽制させようとした。
中国とロシアは互いに利用し合い、互いに空手形を切り合ったが、双方とも同じ過ちを犯した。自国の実力を過大評価し、相手の実力も過大評価したのである。ロシア政府がロシア・ウクライナ戦争の現在の姿を事前に知っていれば、4年余り前に極めて慎重に行動したか、そもそも開戦しなかっただろう。ロシア政府は、中共の対米対抗がこれほど不甲斐なく、あっという間に手詰まりとなって実力のなさを露呈し、ましてやロシアを戦争の泥沼から救い出すなど到底できないとは予想していなかった。
中共はロシア軍の戦闘力が有名無実であることを予想しておらず、当初は速戦即決と喧伝されていた戦争が、果てしない消耗戦に変わった。今日に至るまで、中共は密かにロシアを支援し続けているが、表向きは中立を装うしかなく、米国や欧州に公然と挑む度胸がない。
中共はロシア・ウクライナ戦争で米国を牽制することを望んだが、ロシア・ウクライナ戦争の実質的な相手はNATO全体であった。中国とロシアは米国および西側世界全体と消耗戦を繰り広げ、しかも当初見くびっていたウクライナがこれほど粘り強いとは想定していなかった。
ロシアは戦争で大きく消耗し、アサド政権すら支えきれず、シリアの急速な政変を招いた。ロシアの国際的影響力は大幅に低下した。
トランプ大統領は戦略的好機を見出し、まず欧州にウクライナ支援と自国防衛のさらなる負担を求め、次いでロシア・ウクライナ停戦交渉の推進を通じて中共とロシアをある程度分断した。モスクワは中国共産党と共に反米を続けるのではなく、米国との関係改善を望んでいる。
米国はある意味でロシア・ウクライナ戦争から身を引き、調停者の役割まで演じた。トランプ大統領は力を蓄え直し、関税戦争で中共の最高指導者を屈服させた後、中共の世界各地の戦略拠点を一つずつ除去し始めた。
中共はロシア・ウクライナ戦争で米国を牽制する算段だったが、結果はロシアが消耗し、米国の行動を妨害できなくなった。中共指導部はこの事態を予測しておらず、「百年の変局」は完全に狂った。
中国共産党の中東情勢の誤算
中国共産党はロシア・ウクライナ戦争で深刻な戦略誤算を犯し、予想していなかった結末に直面している。同様に、中共は中東でも戦略を誤り、今日のイランの危機的状況を招いた。
イランの軍事力はベネズエラ、キューバ、パナマをはるかに上回るはずだが、中共はイランの真の実力を把握しているはずである。多くの兵器、特にミサイルは中共が提供したものだからだ。しかし中共はおそらく、イスラエルの実力がこれほど強いとは予想していなかった。
中共はイランおよびイランの傘下組織を唆して中東で騒乱を起こさせ、同じく米国を牽制しようとし、一時は米国が中東から離れた後の空白を埋める幻想すら抱いていた。
しかし中共がイランとイランの傘下組織を開戦に駆り立てたことは、イスラエルを直接戦局に引き込むことを意味した。ハマスはイランの直接的な指示のもとイスラエルを襲撃し、イスラエルに大規模反撃を余儀なくさせ、ハマスをほぼ壊滅させた。その後イスラエルはイランが支援するレバノンのヒズボラも大きく弱体化させた。
2024年10月、イランは自ら参戦を余儀なくされたが、大規模なミサイル攻撃はイスラエルに軽微な被害を与えたにとどまり、続くイスラエルの限定的な報復攻撃がイラン核施設周辺の防空システムを破壊した。中共は懸念を公然と示し、イランがイスラエルに太刀打ちできないことを認識していたはずだが、すでに収拾がつかなくなっていた。
2025年にトランプ大統領がホワイトハウスに復帰した後、イエメンのフーシ派に猛烈な空爆を命じ、フーシ派を降伏に追い込んだ。2025年6月、イスラエルがイランを13日間にわたり大規模空爆し、続いて米国がイランの核施設を一挙に破壊した。イスラエルの一連の戦果がなければ、トランプ大統領も攻撃命令を果断に下すことは困難だっただろう。今年2月28日、米国は再びイスラエルと連携してイランを攻撃し、中共の目論見は完全に覆された。
中共がロシアによるウクライナ侵攻を支援したことも、イランとイランの傘下組織の中東での戦争を唆し支援したことも、関係各方面の実力を誤って見積もった結果である。中共は米国を最大限に牽制できると踏んでいたが、力を入れすぎてより多くの国々を戦局に引き込み、中共が米国牽制に使っていた勢力は一つずつ壊滅させられた。
トランプ大統領は中国とロシアの脆弱さを見抜き、好機をつかんで果断に行動した。中共はグローバル戦略の拠点が崩壊するのをただ見ているしかない。トランプ大統領の戦略盤上では中共こそが最大の標的であり、外側の障害を完全に除去し終わる前に、トランプ大統領はホルムズ海峡護衛問題で中共指導部に「王手」をかけ始めた。
中国共産党の戦略誤算は一連の敗北を招き、1回の米中首脳会談で損失を食い止めようとする試みもおそらく計算違いに終わるだろう。キューバではすでに国民が共産党機関を破壊し始めており、中国の国民もできるだけ早く行動すべきである。中国共産党が滅亡に向かう変局はいま到来しつつある。
大紀元初出
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