上海で住宅市場が回復したと報じられている。しかし実態は、それとは大きく異なる可能性がある。
判断材料となるのが、国有系大手・中海地産のデータだ。同社は業界の中でも「優等生」と見られてきた存在で、市場の動きを測る目安とされてきた。だが、2026年2月の販売額は前年比約36%減、販売面積は45%減と大きく落ち込んだ。こうした企業で販売が減っている以上、市場全体が回復しているとは考えにくい。
先月(2月26日)、上海では住宅市場を立て直すための新政策が打ち出された。購入制限の緩和や住宅ローンの条件緩和などで、これまで買えなかった層にも購入しやすくする内容だ。
その直後から、現地メディアは一斉に「問い合わせが倍増」「投資家が殺到」「市場が一気に回復」といった見出しで報じ、まるでブームが戻ったかのような雰囲気を強く打ち出した。
しかし現場では、不動産仲介が「特に変化はない」と話す。さらに、投資家の来場も高額な報酬で集められたと指摘している。
つまり、実際には売れていないのに、あたかも市場が回復したかのような空気を作っている。上海の「購入ブーム」は、本物の回復ではなく、演出された可能性がある。
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