このところ、新型コロナウイルス(COVID-19)の変異株BA.3.2は急速に広がり、すでに世界数十か国で確認されており、科学界の関心を集めている。
アメリカ、フランス、オーストラリアなど23か国でBA.3.2株が見つかっており、これはオミクロン株系統のBA.3系統から派生した子孫(サブ系統)である。
BA.3.2株通称「セミ変異株」。長期間検出されず、突如として出現したため、土中から現れるセミ(Cicada)にちなんで名付けられた。
同変異株は202411月に初めて確認されたが、その後かなり長い間、世界の通常監視ではほとんど検出されなかった。
ところが2026年初めになると、複数の国で再びBA.3.2が確認され始めた。下水監視、入国時検査、臨床検体の検査などで見つかっている。
BA.3.2の特徴は、遺伝子に大きな変化が起きている点にある。前身のBA.3と比べると、BA.3.2のスパイクたんぱく質には50個以上の変異があり、武漢の初期株と比べると70個以上の変異がある。
スパイクたんぱく質の変化が大きい場合、過去の感染やワクチン接種によって形成された防御効果が、ある程度影響される可能性がある。実験室での研究では、BA.3.2変異株に、現在のCOVID-19に対する免疫を回避する兆候があることが示されている。
研究者は、これはウイルスが飛躍的に変異したことを示しているとみている。つまり、徐々に変異を積み重ねたのではなく、突然進化し、一度に多くの変異を蓄積したということだ。
こうした変化は、新型コロナウイルスがいまなお進化を続けていることを示している。私たちが気づかないうちに水面下で変化し、その後突然再び現れることもあるということだ。
臨床観察によると、現時点でBA.3.2変異株に感染した患者の症状は、主に呼吸器症状に集中している。のどの痛み、鼻づまり、せき、倦怠感などが多い。今のところ、明らかに重症化しやすいことを示す所見は確認されていない。
WHOが2025年12月に公表したBA.3.2に関する初期リスク評価では、「BA.3.2は、ほかの同時流行している変異株と比べて持続的な増殖優位性を示しておらず、この変異株が重症度、入院率、死亡率を高めることを示すデータもない」としている。
ただし、感染を繰り返し、さらにインフルエンザなどほかの呼吸器ウイルスの影響が重なれば、健康リスクは時間とともに徐々に蓄積する可能性がある。たとえば、体力の低下、疲労からの回復の遅れ、心血管の状態の変化などが起こり得る。
4月12日、「新型コロナウイルスのセミ変異株が現れた」との話題がウェイボー(中国版Twitter)の検索急上昇ワードに入り、多くの中国のネットユーザーが不安の声を上げた。
「最近また感染した。症状は確かに以前より軽いけれど、毎年何回も繰り返すとなると、体も持たない」
「この病気は症状そのものより、心臓や膵臓、腎臓など全身の臓器を攻撃するのが問題だ。何度もかかれば、臓器に問題が出て、大変なことになる」
「どうか大流行にはならないでほしい」
「もう流行している。うちの家族はみんな感染したし、結婚式に出た親戚数十人も全員、発熱、せき、のどの激しい痛み、全身の痛みが出た。症状はほぼ同じで、軽い人も重い人もいる。私はもう2週間になるが、ほかの症状は消えたのに、まだせきだけが残っている」
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