アメリカが金融斬首作戦を始動 中国共産党へ「ドル封鎖」

2026/04/25
更新: 2026/04/25

解説

過去数十年にわたり、中国共産党(CCP)は一種の「幻想」を抱いてきた。それは、ドル主導の国際金融システムを自国の成長に利用しながら、同時にそのシステムを内部から崩壊させる武器を磨くという身勝手なものだった。 しかし、そうしたいいとこ取りの「ただ乗り」の時代はもう終わりだ。

トランプ政権は、単なる貿易赤字の是正という次元を超え、敵の急所を突く「金融の斬首作戦」へと戦略を転換した。「オペレーション・エコノミック・フューリー(経済の猛威作戦)」を通じ、米国は今、中国共産党の世界進出を支える資金源——すなわち国家と直結した巨大銀行——を包囲し、その息の根を止めようとしている。

イランとの結びつき:戦争資金の流れを断つ

今回の対立激化の引き金となったのは、世界を不安定化させている独裁政権に対し、中国共産党が「最大の資金源」として機能している事実である。「オペレーション・エピック・フューリー(壮絶な怒り作戦)」が物理的な軍事力を行使してイラン政権の核能力と指導部を減退させる一方で、オペレーション・エコノミック・フューリーは、核開発の野心やジハード主義の代理戦争を可能にしている金融チャネルを叩く。

北京はもはや受動的な傍観者ではない。イランの軍事活動に資金を提供する主要なプレイヤーである。イラン産原油の約90%を購入することで、中国はテヘランが核開発を行い、代理勢力に資金を供給し、現在中東に降り注いでいるドローンやミサイルを製造するために必要なハードカレンシー(国際決済通貨)を提供している。

ベッセント米国財務長官は、中国の金融大手に対して警告を発した。「テヘランのムッラー(イスラム教指導者)やモスクワの首謀者のために資金を動かすなら、米ドルから遮断されることになる」と。米国は現在、北京に対して「世界最大の経済圏に参加するか、あるいは自国のジュニアパートナーによる地域紛争に資金を出すか」という二者択一を迫る二次的制裁を執行している。

中国共産党はこれらの動きを「金融覇権主義」と非難しているが、これは不法な収益源が枯渇していくのを目の当たりにしている政権による、予想通りの反応である。また、イランやロシアとの貿易を妨害しないよう米国に警告している。

イランの原油タンカー「セヴダ」が、2026年1月27日、イランのバンダル・アサルーヤ付近を航行している(Sam/Middle East Images/AFP via Getty Images)

米国債の脅威:鈍く、壊れた道具

北京は、交渉のカードを強引に作るべく、いつもの「脅し」を口にした。保有する8千億ドルの米国債を市場に投げ売りするというものだ。 中国の国営メディアは、この「経済的な核兵器」が米国経済を崩壊させると煽っている。しかし、その主張の信憑性は、改ざんが疑われる中国の統計データと同レベルであり、到底信じられるものではない。

米国債を大量に投げ売りすれば、米国の金利が急騰し、中国が保有し続ける残りの資産価値まで暴落させてしまう。さらに、金利上昇による世界的な景気後退は、中国が生存のために依存している「輸出市場」そのものを冷え込ませ、自らの首を絞める結果となるだろう。 中国は長年、金の備蓄を進めるなど「ドル離れ」を画策してきたが、ドルの圧倒的な優位性は揺らいでいない。つまり、この脅しは高度な戦略などではなく、自らの影響力が刻一刻と失われていくのを前にした、政権の自暴自棄な悪あがきに過ぎない。

「脱ドル化」とBRICSという幻影

米国の法の網から逃れるため、北京はBRICSプラス連合を通じて脱ドル化に力を入れている。その目標は、ドルを完全に回避し、いわゆる「制裁の効かない世界」を作り上げるために設計されたブロックチェーンベースの決済システムである。

しかし、BRICS連合は砂上の楼閣に築かれている。加盟国は根本的に互いを信頼していない。インドはすでにBRICS共通通貨から公に距離を置いており、ルピーの保護と西側諸国との急成長する関係を優先している。さらに、通貨が国際化するためには、いつでも自由に外貨と交換し、国外へ持ち出せることが不可欠だ。しかし、共産党は体制維持への影響を懸念し、この「資本取引の自由」を認めていない。その結果、人民元は信頼を得られず、制裁逃れなどの特殊な事情を持つ者だけが利用するニッチな通貨に留まり続けるだろう。

インドのナレンドラ・モディ首相は、2018年7月27日、南アフリカのヨハネスブルグで開催された第10回BRICS首脳会議に出席した(Mike Hutchings/AFP/Getty Images)

世界的な後退:パナマ、ベネズエラ、そしてその先での敗北

「一帯一路」構想を通じた中国共産党の影響力は、西半球における米国の決意という壁に突き当たっている。パナマでは、中国の港湾契約がキャンセルされ、施設が地元当局によって接収された。当然ながら、これらの行動の背後には米国の強力な外交圧力があり、北京にとって重大な戦略的敗北となった。

その後間もなく、2026年初頭にベネズエラのマドゥロ政権に対して行われた米軍の攻撃は、再び北京を辱めた。これらの作戦は、中国が南米での存在感を固定するために利用していた「石油と影響力の交換」という取引を粉砕した。米国が実際の軍事・経済的決意を示したとき、中国が引き下がるのを世界は目撃した。

共産主義中国の「アンタッチャブルな超大国」としての名声は失墜した。北京の「債務の罠」は、米国の国際ルール執行に対して何の保護も提供しないことにパートナーたちが気づいたからだ。マドゥロ・北京軸の崩壊により、中国共産党の南米戦略は瓦礫と化した。

因果応報の時代

中国共産党は、あるシステムに依存して生存し続けながら、同時にそのシステムを破壊することはできないという事実に直面している。中国の銀行とその不実な貿易パートナーを標的にすることで、米国は共産党の権力の中枢を叩いている。

北京はBRICS共通通貨の創設や米国債の売却をちらつかせ、強気な姿勢を見せるかもしれない。しかし、動かしがたい事実は一つだ。ドルという決済手段を失えば、中国共産党が進めてきた世界規模のプロジェクトは、燃料切れの機械のように停止する。 これまでの報いを受ける「因果応報」の時が来たのだ。過去数十年の間、世界を翻弄してきた北京は、今や初めて「追う者」から「追いつめられる者」へと転落したのである。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
『中国危機』(Wiley、2013年)の著者であり、自身のブログTheBananaRepublican.comを運営している。南カリフォルニアを拠点としている。