「子供の安全より利益」 米メタの元幹部が証言 ザッカーバーグ氏の企業文化を批判

2026/08/24
更新: 2026/08/24

米メタの製品部門の元責任者アルトゥーロ・ベハール氏は19日、カリフォルニア州オークランドの連邦地裁で証言し、同社が長年、利用者の安全より利用者数の拡大や利益を優先してきたと述べた。

企業文化の形成には、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が大きな影響を及ぼしたと指摘。ベハール氏は、カリフォルニア、コロラド、ケンタッキー、ニュージャージーの4州がメタを提訴した裁判で、2日連続で証言した。

訴訟では、フェイスブックとインスタグラムの製品設計が若年層の利用者を依存させる仕組みになっているほか、13歳未満の子供のデータ収集にも問題があると主張している。

メタ側はこれを否定し、青少年の安全を重視して対策を講じていると説明している。

「ザッカーバーグ氏が製品設計に強い影響」

ベハール氏は、メタがトップダウン型の経営を採用し、ザッカーバーグ氏が多くの意思決定に深く関与していると証言した。製品設計を大幅に変更するには、同氏の支持が必要になる場合が多いという。

「マークが何かを優先事項にすれば、数か月で大きな変化を起こすことができる」と述べた。

ベハール氏は2009〜15年にフェイスブックに勤務し、ネット上のいじめなど安全上の問題を担当。19〜21年には外部顧問として再びメタに関わり、インスタグラム利用者の安全や福利に携わった。ザッカーバーグ氏とは数十回接触したとしている。

同氏によると、メタの内部調査では、青少年が有害なコンテンツに接触し、精神的な悪影響を受ける可能性が示されていた。一方、安全対策の改善を進めることは容易ではなかったという。

「マークが作り上げた企業文化のため、利用者の安全や心身の健康を守るために議論してきた機能を、実際に開発することはできなかった」と証言した。

また、2021年にメタの元プロダクトマネジャーであるフランシス・ホーゲン氏が内部文書を公表した際、ザッカーバーグ氏が「利益を安全や福利より優先している」との批判を否定したことについても、「私の経験からすれば、それは正確な説明ではない」と反論。「子供に関する問題では、マーク・ザッカーバーグを信用することはできない」と述べた。

13歳未満の利用者「聞かない、言わない」

ベハール氏は、13歳未満の子供によるサービス利用についても証言した。

米国の児童オンライン・プライバシー保護法(COPPA)に基づき、メタはアカウント作成を13歳以上に限定している。しかし、ベハール氏は自身の調査で、インスタグラムには「数万人」の13歳未満の子供がいることを確認し、社内でも把握されていたと述べた。

13歳未満の利用者に対する会社の姿勢について問われ、「特にインスタグラムでは、『聞かない、言わない』というのが会社の姿勢だった」と証言した。

また、偽アカウントなどを識別する技術があるにもかかわらず、13歳未満とみられる利用者を検知し、年齢を確認する明確な「目標」や「指標」を設定していなかったと指摘した。

米4州は、メタが親の同意を得ずに13歳未満の子供の個人データを収集し、連邦法に違反したと指摘。メタは、13歳未満の利用者を特定してアカウントを停止するよう努めているとしている。

ベハール氏は、ソーシャルメディア部門の社員の評価や報酬が、利用者数や利用時間に大きく左右されていたとも証言。「このような状況では、安全は後から考えられるものになってしまう」と述べた。

動画の自動再生や無限スクロール、「いいね」や閲覧数、コメント数、フォロワー数などを表示する機能についても、成人向けに設計された仕組みが青少年により大きなリスクをもたらす可能性があると指摘した。

メタが2021年に導入した「Take a Break(休憩を取る)」機能については、利用者自身が設定を有効にする必要があり、「設計上、失敗することが決まっている」と批判。「安全機能は初期設定で有効になっているべきだ」と述べ、「車に乗るたびに、自分でエアバッグを作動させるようなものだ」と例えた。

陳霆