【画像】自衛隊幹部会 高市首相が防衛3文書改定を表明 小泉防衛相は現場起点の改革強調

2026/09/03
更新: 2026/09/03

令和8年度自衛隊幹部会が9月2日、防衛省で開かれ、全国の主要指揮官が出席した。高市早苗首相と小泉進次郎防衛相は、わが国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しているとの認識を示し、組織改革や人的基盤の強化を進める方針を表明した。

両氏は、24時間態勢で領土、領海、領空の警戒監視や災害派遣に当たる隊員と、その家族に謝意を示した。

高市首相を防衛省で出迎えた小泉防衛相(小泉防衛相のXアカウント)
儀仗隊の高市首相への栄誉礼(小泉防衛省のXアカウント)

防衛3文書を年内に改定

高市首相は、令和4年に策定された国家安全保障戦略など防衛3文書を令和8年中に改定し、防衛力強化の新たな方向性を示す考えを明らかにした。

安全保障を取り巻く環境や技術が急速に変化していることを踏まえ、「昨日までの平和は明日からの平和を保証しない」と指摘した。人工知能(AI)の活用や無人装備の大量運用に加え、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域を徹底的に活用する必要があるとした。

その上で、既存の組織や制度が新技術の導入を妨げていないか、継続的に確認するよう求めた。

現場の声を組織運営に反映

高市首相は、令和8年7月の熊本地震における自衛隊の活動に触れ、イオンモール熊本など各地での人命救助や生活支援、看護官による健康面のケアに加え、官邸へのキッズスペースの設置など、多角的な支援を行った隊員らに深い感謝を示した

高市首相は、自身が学んだ松下政経塾で重視された、多くの人の知恵を集める「衆知」の考え方にも言及した。

階級制度を持つ自衛隊では、現場の知見が上層部へ届きにくくなる可能性があると指摘し、現場の声を意識的に吸い上げる仕組みを整えるよう求めた。

また「優れた装備を動かすのは最後は人である」と述べ、隊員が誇りを持って任務に当たれるよう、給与や勤務環境など自衛官の処遇改善を進める考えを示した。

熊本地震での活動を評価

小泉防衛相は、令和8年7月の熊本地震で、気温が40度を超える記録的な酷暑の中、災害派遣に従事した隊員の活動に謝意を表した。 

隊員が発災直後から被害情報を迅速に収集して人命救助を最優先に活動したことや、熱中症対策のためのクーラー輸送、給水・入浴支援など、被災者のニーズに即応したきめ細かな支援に取り組んだ姿勢を高く評価した

小泉氏は、鳥海西部方面総監が、現地で取材していた記者も被災している状況を把握して報告した例を紹介し、指揮官が現場の実情を細かく把握することの重要性を強調した。

現場の要望受け規則を改正

小泉氏は、習志野駐屯地の特殊作戦群と第1空挺団を視察した際、現場で実施できる救命処置の制限を緩和してほしいとの要望を受けたことも明らかにした。

この要望を受け、日下衛生官らが規則の改正を進めたという。小泉氏は、現場における試行錯誤や具体的な課題を制度改革につなげる必要があるとの認識を示した。

摩擦ある相手とも対話

防衛外交については、同盟国や同志国との連携を強化する一方、摩擦を抱える相手とも、制服組同士が敬意を持って対話することが重要だと述べた。

現場での交流や意思疎通は、不測の事態を防ぐための財産になるとし、真部国際政策局長ら国際部門の取り組みに謝意を示した。

家族支援へ新たな庁の設置も

小泉氏は、厚木航空基地で行われた出国行事で、行進する隊員の後を小さな子供がついて歩いていた場面を紹介した。隊員の家族を「国の宝」と表現し、隊員の生活と家族を支える人的基盤の強化に取り組むとした。

具体策として、新たな庁の設置を含む体制整備を進める姿勢を示した。

訓示の終盤には、指揮官が最終的な判断の責任を負う「決断の孤独」にも言及した。本年4月に発生した戦車事故の際、武田第7師団長が所属隊員の家族に手紙を送った事例を紹介し、隊員や家族との結び付きが組織を支えるとの考えを示した。

高市首相と小泉防衛相は、隊員の先頭に立ち、国民の命と平和、わが国の領土、領海、領空を守る決意をそれぞれ表明した。

その後、小泉防衛相と幹部自衛官は首相官邸で首相主催の昼食会に招かれた。

高市首相主催の昼食会で小泉防衛相が高市首相へお礼の挨拶(小泉防衛省のXアカウント)
左から森田 雄博 空幕長、荒井 正芳 陸幕長、高市首相、内倉 浩昭統幕長、齋藤 聡海幕長、小泉防衛相

 

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます