中国の宗教と人権弾圧

米議会公聴会、中国の宗教迫害と人権弾圧を議論 米著名俳優やミス・カナダも証言(1)

2015/12/21 11:24

最近、米政府機関が開いた中国の宗教や人権に関する公聴会では、米著名俳優やミス・ワールドのカナダ代表が証言し、問題の注視を訴えた。9月には中国国家主席就任後初めてとなる習近平氏の訪米が予定されており、問題解決に向けて中国政府を動かす狙いがある。

米国の立法府と行政府が合同設立した「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)」は7月23日、中国で弾圧を受けるウイグル人イスラム教徒、キリスト教徒、チベット仏教徒、法輪功学習者の代表者を召集し、最近の迫害状況について証言した。関心の高まりを狙って、中国人権問題の映画やドラマに数多く出演したカナダの女優で2015年ミス・ワールドのカナダ代表アナスタシア・リンさんも招かれた。

ミス・ワールドのカナダ代表を脅迫する中国共産党

女優アナスタシア・リンさんは、信仰と人権の自由のための活動が評価され、2015年ミス・ワールドのカナダ代表に選ばれた。公聴会では、中国にいる父親への脅迫について証言した。

リンさんの父親は、カナダ代表に決定という娘からの吉報に「非常に誇りに思う」と答えたが、数日後、中国の人権擁護活動をやめるか、絶縁するかを要求した。

カナダテレビ(CTV)は5月、リンさんの話として、父親が公安当局の監視下に置かれ、電話やメッセージが傍受されていると伝えた。明言は避けているものの、父親は、仕事の廃業や近親者の進学拒否など地元政府からの脅しを受けていることをほのめかしたという。

法輪功の迫害を報道する明慧ネットによると、中国の家族に圧力をかけ海外に住む学習者へ連絡をとらせ、信仰や人権の自由を訴える活動を停止させるよう求めるのは、中国政府の弾圧方法の典型例として、数多く報告されるという。

リン氏は2015年冬に公開予定のカナダ映画『最前線(原題:The Bleeding Edge)』で、収監される法輪功学習者を演じた。実際に中国で迫害を受けた複数のカナダ在住学習者から話を聞き、禁固や拷問の酷さ、堅い信念について調べた。

映画には、収容所を訪れる家族が信仰を諦めるよう、せがむシーンがある。当局の圧力に苦しむ父親を想って「自分の信念を貫くことは、世界で最も大切な人を代償にしかねない、という恐怖を見にしみて感じた」とリンさんは述べた。

中国の家族や友人によれば、リンさんに関するニュース記事が中国国内インターネットから消えた。人権問題に言及してきたリンさんの発言は、検閲対象になったとみられる。

リンさんは湖南省長沙出身の25歳。中国名は林耶凡。13歳の時に母親とともにカナダへ移民として渡った。現在はカナダ国籍。トロント大学を卒業し、演劇と政治学の学士号を取得した。学生の頃から中国の人権問題を扱う映画やテレビ番組に20本以上に出演し、キャリアを重ねた。

ミス・ワールド大会は中国海南島の三亜市で12月19日に開催予定だ。リンさんは大会出場を強く望んでいるものの、「最近の状況からして(中国政府がビザを出すかどうか)わからない」と述べた。

家族の危険にさらされながらも、人権問題の発言を続け、信仰の自由を訴える勇敢なリンさんは、自らの信念について、米ワシントン・ポストの寄稿文で次のようにつづっている。

「もし脅迫に屈してしまえば、人権侵害に加担したことになる。私や周囲の人々が黙ってしまえば、共産党は勝手気ままに弾圧を続けることになる」。また、ミス・ワールドのカナダ代表選出大会では、「『声なき者の声』であり続けることを誓う」とスピーチした。

アナスタシア・リンさんは、2015年冬に公開予定のカナダ映画『The Bleeding Edge(最前線)』に出演。
収容所で拷問を受ける法輪功学習者を演じた(『The Bleeding Edge』スクリーンショット)

(つづく)

(翻訳編集・佐渡 道世)

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