仏パリで中国系住民が大規模デモ進行 人種差別や暴力事件を抗議

2016/09/08 15:25

 フランスの首都パリでは4日午後、中国系住民は市中心部のレピュブリック広場で集会を行い、中国系住民を狙った人種差別や襲撃事件を抗議した。

 参加者は集会の後、「すべての人に安全を」と書かれた白いTシャツを着用して、同じスローガンを記されている横断幕を揚げてデモ進行を行った。参加者はフランスと中国両政府に中国系住民の安全問題への関心を高めるよう呼びかけた。主催側によると、約5万人の中国系住民が集会とデモ進行に参加した。警察発表は1万4000人。

 デモ行進の発端は先月7日、パリ近郊セーヌ=サン=ドニ県オーベルビリエ市に住む住民で、裁縫の仕事をする張朝林さんは一人の友人と道で歩いているときに、突然3人の強盗に襲われ重傷を受けたため、5日後に死亡した。一緒にいた友人も負傷したが、命に別状がなかったという。この事件はフランスの中国系社会に大きな衝撃を与えた。

 オーベルビリエ市には6000人以上の中国系の人々が住んでいる。その半分の住民が中国国内との貿易を従事するビジネスマンで、同市の中国系アパレル卸市場の規模は欧州で最大だとされている。活発な商業活動によって、中国系住民が「金持ちだ」との誤解を招かれ、ひったくりや強盗など犯罪の標的となった。

 フランス国内メディアによると、セーヌ=サン=ドニ県警察当局の調査ではオーベルビリエ市で中国系住民を狙った襲撃事件は昨年同期の35件から、今年現在の105件にと1年間で3倍も急増した。

 4日の集会には、ヴァレリー・ペクレス(Valérie Pécresse)イル・ド・フランス地方議会議長などの地方議員が駆け付けた。ぺクレス議長は張さんを死亡させた暴力事件や中国系住民への偏見を非難し、今後アジア系住民の安全を保障していくには、セーヌ=サン=ドニ県を中心に、各街道に設置する監視カメラや、パトロールする警察を増やしていくとの考えを示した。

 張さんが死亡した後に、中国系住民はオーベルビリエ市ですでに8月14日と21日に2回の集会を行った。3回目となる4日の集会の参加者数が過去最多となった。昨年11月で起きたテロ事件などで非常事態宣言が続いているフランスの治安当局が、このような大規模な集会開催を許可したのは非常にまれだ。

(記者・慈蕊、徳龍/翻訳編集・張哲)

編集部からのおすすめ
関連記事
注目記事
^