THE EPOCH TIMES

チャイナリスク早くも露呈 ドイツ銀、大株主中国海航の資金難で株安

2018年02月13日 13時31分

 中国複合大手海航集団(HNAグループ)がこのほど債務返済のために、保有する欧州金融大手ドイツ銀行の株式の一部を売却したこと。HNAは同銀行の筆頭株主で、昨年末以降HNAの債務問題が明るみになってから、ドイツ銀行の株価下落が続いている。

 ブルームバーグ(9日付)によると、ドイツ銀行は同日、HNAが保有する同行の株式比率はこれまでの9.9%から9.2%に低下したと発表した。HNAは、今後もドイツ銀行の「重要な株主」であり続けると表明した。

 発表を受けて欧州株式市場では、同行株価終値は1株=12.51ユーロを付け、2016年11月以降の最安値となった。また今年年初から同行の株価は約22%安となった。

 独投資情報会社「Mainfirst」はこのほど、ドイツ銀行への投資格付けを、売りも買いもを薦めない中立の立場である「ニュートラル」から売り推奨の「アンダーパフォーム」に引き下げた。

 HNAは昨年5月初めに同行の筆頭株主になった。ドイツ銀行の関係者などは、HNAが資金不足を補うため、今後同行の株式を安値で売却する可能性があると懸念している。

 新たなデフォルト

 中国経済情報サイト「鉅亨網」によると、HNAの総規模17億元(約289億円)の人民元建て不動産投資信託商品が今月16日に満期を迎える。

 また8日、国内金融・資産運用プラットフォーム「鳳凰金融」で、販売されたHNA関連金融商品「鳳溢盈-HHSY」も債務不履行(デフォルト)になったと報じられた。海航集団が昨年1月に発行した1年満期型金融商品が計777種類、総規模が7億7700万元(約132億1000万円)。

 「鉅亨網」によると、今年1~3月まで満期を迎える同社の短期債務規模は150億元(約2550億円)。同網は、HNAの資金状況から、デフォルトと経営破綻の可能性が高いと指摘した。

 昨年11月、米紙・ウォールストリート・ジャーナルは、HNAは約1000億ドル(約11兆円)規模の債務を抱えていると報道した。

 中国株式市場では、HNA傘下子会社7社の株式がすでに一時取引停止になっている。親会社は資金調達のために、この7社の株式の一部を担保にしている。

 HNAは今後、海外資産の売却を一段と進めていくとみられる。

 「海航の事業は党の事業だ」

 独メディア「南ドイツ新聞」(12日付)は、このほどHNAが開催したグループ全体の共産党員幹部会議において、同社の陳峰・会長は講演で「海航の事業は党の事業である」と強調したが、債務問題を全く言及しなかったと報じた。

 一方、中国週刊紙・南方週末はこのほど、HNAの債務危機に焦点を当てた特集記事2本を掲載予定だったが、発行直前に差し替えられた。当局の検閲を受けて発表中止となったとみられる。

 差し替えに反発した記者は同記事をインターネット上に公開した。

 公開された記事は、HNAがこれまで、「巨額な債務を抱えながら、積極的に国内外企業買収を繰り返して急速に拡大した」「実質的に、与信拡大を通じて同社の資産価格を上昇させてきた。規模拡大だけをやってきたHNAは、社内の様々な経営・財務問題を長年放置した」などと批判を浴びせた。

 香港メディアなどによると、「南方週末」の総編集長はこの件で更迭された。

失速する中国マネー

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