中国大連万達、英ロンドンの不動産を90億円で売却へ 資金調達のためか

2018/01/18
更新: 2018/01/18

中国人富豪の王健林氏が率いる複合大手の大連万達集団(以下、大連万達)は今週、英ロンドンにある不動産プロジェクトの権益60%を国内不動産企業に売却した。同社にとって初めての海外資産売却となった。中国当局が昨年、民営大手企業の海外投資に融資規制を強化したため、同社が資金調達難に直面した。

同社傘下企業、香港上場の万達酒店発展有限公司が16日、同事業売却について声明を発表した。声明によると、同社は英ロンドン市内にある「万達・ロンドンONE(One Nine Elms)」の権益60%を、3560万ポンド(約54億4680万円)で売却すると決定した。また、「買収側は今後、万達・ロンドンONEの約1億5900万ポンド(約244億8600万円)の債務を負担すると承認した」とした。

中国メディア「澎湃新聞」によると、中堅不動産会社企業の富力地産が同プロジェクトを買収した。富力地産は同買収案についてコメントを控えたという。

また同声明では、ロンドン不動産プロジェクトの残りの40%権益を持つグループ会社、万達商業地産(香港)は同様に売却計画を進めているとした。

「澎湃新聞」によると、「万達・ロンドンONE」全体の売却額が5900万ポンド(約90億8600万円)に達する。

大連万達によると、万達・ロンドンONE事業は同社初の海外投資プロジェクトだ。2013年にロンドン市テムズ川に面した土地を購入し、高級マンション、5つ星の高級ホテル、オフィスや小売りショップなど商業施設が入るツインタワーを建てた。総投資規模10億ポンド(約1540億円)。
 

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昨年、富力地産は約190億元(約3230億円)規模で、大連万達傘下73軒のホテルを買収した。大連万達はこの資金を、借入金の返済に充てた。

中国当局が昨年6月、大連万達などの大手企業に対して海外投資規制を強化し、金融機関に融資中止を指示した。それ以降、大連万達の海外事業売却に関する報道が多くなった。

国内メディア「騰訊財経」は昨年11月20日、大連万達の幹部の話として、借入金や債務の返済と、海外事業の今後の発展のために資金が必要で、同社が海外資産売却を急進していると報道した。

(翻訳編集・張哲)

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