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仏大統領 中共に貿易黒字是正を要求 EUの対中関税強化も示唆

2025/12/08
更新: 2025/12/08

フランスのマクロン大統領は訪中中、中国が対EU貿易黒字を減らさなければ、EUは関税引き上げなどの厳しい措置に踏み切る可能性があると警告した。

欧中間の貿易摩擦が続く中で、マクロン氏は12月3〜5日に中国を訪問した。仏経済紙レゼコーが7日に掲載したインタビューで、マクロン氏は訪中時に中国側へ伝えた内容を説明した。

「中国側に、対EU貿易黒字は持続不可能だと説明しようとした。中国は自らの顧客を弱らせており、とりわけ私たちからの輸入をあまり行っていないからだ」と述べた。

「中国が対応を取らなければ、ヨーロッパは今後数か月のうちに強硬措置を取らざるを得なくなる。アメリカにならい、中国製品への関税賦課も選択肢になる」と語った。また、この問題についてフォンデアライエン欧州委員長とも協議したとした。

EUが公表した統計によると、モノの貿易収支ではEUは長年にわたり対中赤字が続いている。2024年の赤字額は3058億ユーロに達し、2023年の2970億ユーロを上回った。

フランス財務省の統計でも、2024年のフランスの対中貿易赤字は約470億ユーロとなっている。

EU加盟27か国は、関税を含む対中貿易政策を独自に決定することはできず、関連権限は欧州委員会が一元的に担っている。マクロン氏は、EU内で対中関税をめぐる合意形成は容易ではないと認めた。

同氏はこれまでも、中国製品の大量流入がヨーロッパの産業を圧迫しているとして、EUに保護措置を求めてきた。

「中国はヨーロッパの産業とイノベーションモデルの核心を揺さぶろうとしている。このモデルは、これまで機械工具産業と自動車産業を基盤としてきた」と述べた。

また、アメリカの対中関税により、中国が本来アメリカ向けだった製品を「大規模に」欧州へ振り向けていると指摘し、「これは欧州産業にとって死活的に重要な問題です」と強調した。

さらにマクロン氏は、対中貿易赤字を減らすにはEUが中国からの直接投資をより多く受け入れる必要があるとの見方を示した。しかし、中国企業がヨーロッパで「略奪的」に行動したり、覇権的な目的を追求したりすることは許されないと警告し、ヨーロッパは自動車など脆弱な産業を守りつつ競争力を高めるべきだと述べた。

昨年、フランスはEUによる中国製EVへの関税導入を支持し、両国関係は緊張した。これに対し中国共産党はフランス産コニャックの最低価格規制を導入した。フランスの豚肉・乳製品業界では、自らも報復対象となる可能性への懸念が広がっている。

張婷