THE EPOCH TIMES

アングル:サウジ、なぜ紅海経由の原油出荷を停止したか

2018年08月01日 11時50分

[リヤド/ドバイ 30日 ロイター] - サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は先週、紅海の南端に位置するバベルマンデブ海峡を通るすべての原油の出荷を「一時的に停止」すると発表した。

原油タンカー2隻が同海峡を通過中に、イランが支援するイエメンのイスラム教シーア派武装組織のフーシ派に攻撃されたことを受けた措置だった。

今のところ他の産油国はサウジに追随して出荷停止に動いていない。もし同海峡が全面的に封鎖されれば、欧州と米国に向かう原油および石油製品およそ日量480万バレルの輸送が止まってしまう。

サウジなどの有志連合によるイエメンのフーシ派への軍事行動を支持している西側諸国は、今回のタンカー攻撃に懸念を表明した。ただ同海峡の安全確保に向けて具体的な行動に出る気配はない。中東の両雄であるサウジとイランの代理戦争にさらに深く巻き込まれてしまう恐れがあるからだ。

<西側の支持引き出し>

バベルマンデブ海峡の航行の危険性は、今年に入ってくすぶり続けてきた。今回のタンカー攻撃のような事件の後に、安全性が改めて問題視されるのも珍しいことではない。それでもサウジ政府がことさら脅威を言い立てたのは、政治的な意味合いが込められている。

専門家の見立てでは、サウジはフーシが生み出す危険を西側諸国により深刻に受け止めさせ、イエメンにおける軍事行動への支援を強化してもらおうと目論んでいる。この軍事行動で数多くの空爆を重ね、限定的な地上作戦も実施したが、世界最悪の人道上の危機を深めながら、それほどの成果を挙げられていない。

サウジアラムコ元幹部のエネルギーコンサルタント、Sadadal-Husseini氏は、サウジ側はフーシ派の攻撃が世界の耳目に届かずにいるのを許さず、これを後ろ盾のイランが世界経済を破壊する行為として、白日の下にさらすことにしたと指摘した。

サウジの出荷停止は、米政府がイラン核合意からの離脱を宣言した後も、同合意の枠組みを支持し続ける欧州諸国に対して、イランの弾道ミサイル開発により強硬な姿勢を取るよう迫る狙いもある。

こうしたサウジの動きが米政府と協調した上でのものだとは正式に確認されていない。もっともある専門家は、両国の戦略的な結び付きを考えれば、逆に米国側に話が通じていなかったなら驚きだと述べた。

<一触即発>

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