株式市場挽回に失敗、中国株価続落、投資家が離れる

2005年05月30日 08時30分
 【大紀元日本5月30日】5月9日午前、中国上海証券取引所の寄り付き値は、前日終値に比、いきなり暴落相場で始まり、値戻しは見られず、5月12日上海株式市場の指数は最低の1180ポイントであった。中共当局は崩壊しつつある株式市場の挽回を試み、一ヶ月の内に4度にもわたって株式取引に関する通達を出した。既に去る4月29日、中国証券監督会において、ここ数年、中国の株式市場をかく乱している「股権分置」問題(株式の分配問題)を解決、そして、中小投資家の利権を保護するために絶えず解決案が出されてきた。しかし、思惑通りには行かず、5月9日、上海と深センの株式市場は再びブラック・マンデーとなった。上海の証券取引所の最終指数が1099.84ポイントにまで落ち、再び6年以来の最低指数となった。投資家らは次々と離れ去った。

 2001年中国上海株式市場の上場株指数が2400ポイントだったのに対して、今年の5月連休前では1162ポイントしかなかった。2001年から2005年の間に内容拡大したため、現在の1162ポイントは実質上、2001年の600-700ポイントに相当し、既に800ポイントを割っている。2001年の株式相場は1.7万億元に対し、現在は7千億元の株値しかなく、1万億元のマーケットバリューが既に消えている。

政府は市場作りに失敗した

 ある投資家が「『股権分置』を解決しても、しなくても、投資家らは間違いなく損失を被ってしてしまうのだ。大量のデッド・ストックは誰も受け取りたくないのだ。国の貧しさはここまで極まってしまったのだ。株式市場は低迷しているのに、我々からまた、骨までしゃぶり搾取しようとしているのだ」と文句を吐いた。

 中国人民銀行でマクロ経済アナリストを務めていた政府官員の談話が伝えられている。「政府が今、股権分置問題の解決に手掛けている。それには、メディア関係、専門家、政府運営の財団から多大の協力を得、『春満開の株式市場』を作りあげようとしている。中国政府の本当の目的は、10万億元余りの人民の貯金を引き出させ、株式に投資させ、大きい株式市場を作ることである。そして、流通していない株式を所持する大株主(主に国の銀行)がそこから利益を獲得し、更に銀行の不良債権率も大幅に減少し、一触即発の金融危機を緩和させる上、政府の税収も増えることを企んでいるのである。しかし、投資家らがどれほどの利益回収ができるのか、または、損失を被るのかについては、政府は無関心である。

株式市場は崩壊状態

 米国の著名経済専門家・草庵居士は、今回は中国の株価暴落の原因は宝鋼企業が資本金を拡大するために250億株を追加発行したからである。株から得た利益を銀行に対して増資する。情報によれば、宝鋼企業は建設銀行に対して30億元、中国銀行に対して50億元、工商銀行に対して50億元を増資したという。宝鋼企業が行っていることは全て中央政府からの指示である。中央政府の目的は明らかであるが、しかし、人民は全く内情を知らないのだ。

 草庵居士曰く、中央政府の政策とは、銀行が人々から預かった貯金を株式市場に投入することである。しかし、これは非常に危険なやり方だと指摘した。実際、中国では、銀行、保険、退職の三大基金の全てが、お金は株式市場に投入している。しかし、現状では中国国内の三大保険会社が既に株式市場で25億元の損失を出しているのだ。

 草庵居士は、中国全国で運用できる各種基金総額は150-180億元しかなく、とても7000億の株式市場を建て直すことはできないと分析している。中国大陸では、現在上場している銘柄は2000余りあり、その内の500銘柄は商いできずに停滞している。また、毎日は1000余りの銘柄が暴落している現状である。実際に株式市場で取引をされている銘柄は400余りしかなく、中国の株式市場は実質上崩壊状態にある。崩壊状態となると株式市場をきれいに清算しなければならないのだが、中共は現状を認めないでいる。草庵居士は更に、来年からWHOによる協定が実行され、外資系銀行との取引が自由になる。そして、人々はどんどん貯金を外資系銀行へ移してしまった場合、インフレを引き起こし、最終的に経済の崩壊になる可能性が極めて高いと分析している。

股権分置は投資家の権益を奪い取っている

 中国政府は、国営企業を救助し、政権を維持するため、更に、国営企業を制御し続けるために、株式市場を創設した当初から、中国社会主義の市場経済が持つ特有なものも取り込んだのだ。その特徴とは、上場した国営企業の70%の株は国が占めることである。そして、一部上場のみ、二部上場はしない。株価は上場時に発行株価で計算、通常は1株の銘柄が1元である。国が所有している取引されていない(流通されていない)株は中国政府の代理機構である国家資源委員会が管理する。そして、残りの30%の株は株式市場で取引され(流通され)、株価は数元から数百元まで値幅が大きく開いている。投資家は個人または機関企業である。

 国が所有している株が取引されない(流通されない)ことにより、同じ株主でも権益に差が生じる問題がある。例えば、国営企業が上場する際、または上場後の新株発行、新株配当する際に一般の投資家は出資しなければならないのに対して、7割を占める大株主の国からの出資は不要である。

 配当時、大株主は1元の70%の配当が得られるが、一般投資家は高額な投資額に対して30%の配当分しか得られないのだ。二者の投資に対する還元配当率の差幅があまりにも大きいである。投資家にして見れば、「分置」制度とは大株主が一般投資家から利益を吸い取る機械であるのだ。

株式指数は400~500ポイントに相当

 中国は株式市場を拡充したため、株式続落し続け、現在の株式指数は400-500ポイントしかない。投資家らは、株価の緩やかな落ちこそが投資家をすっからかんにさせるものであり、現状のままだと株式の取引から離れるしかないという。

 4月29日、「股権分置」を解決するために、証券取引監理会が解決案を提出した。しかし、当解決案はあくまでも形式上の方案であり、具体的な方案は各上場企業が決める。5月の連休中に証券取引監理会は、当方案を試験的に行う四つの企業を発表した。四企業(三一重工、紫江企業、金牛能源及び清華同方)は今週に入って、次々と具体的な解決案を提出した。

一、大株主は絶対的にメリットがある

 証券取引監理会より一般投資家に対する補償の要求は明確に定めていない。また、一般投資家も主張する権利がない。第一回目の試験的解決案を行う四社は共に、一般投資家に対して補償をする内容であったが、北京邦和ファイナンス研究所韓志国所長が、現実に一般投資家に対して、どんなに補償をしても、最終的には大株主が最も大きい利益を得られることになると分析し、株価が最低値である今こそが、大株主にとってメリットがあり、一般投資家にとって最も不利であるという。

 徳鼎投資社のアナリストは、清華同方の一社を除いて、他の三社がここ3年の内、融資を行っていた。4月29日の大引け値で計算した場合、三社が取引された株価と株価純資産現金総額は、それぞれの銘柄が市場から受け取った利益の40%にも満たないと指摘した。

 専門家張衛星氏が、投資家に対する補償及び補償額の規定は強制的なものではないことから、企業が試験段階では投資家に対して株の補填があっても、継続はしないと見ている。また、10株に対して、2-3株しか補填しないのに対して、大株主は持ち株を市場にて取引する権利を得ているという。

二、株式市場の拡充で生じる危機

 多くのアナリストは、上場企業が「股権分置」の問題を解決し、一般投資家が補償されるかされないかに関わらず、大株主は取引する権利を獲得できる。すると、今までに大株主が所有している株を市場に出せば、取引される株数が倍増する。更に、大株主が所有する株の原価が安いことで、投売りをされれば、全体の株価が逆に安くなり、最終的には、やはり一般投資家が損をしてしまうと指摘している。

政府側と一般投資家の利益が対立している

 欧米の株式市場は、社会の資本金を将来性のある、利益をもたらし信用のできる企業に投資することが目的で、上場企業は投資家に対して、如何に利益をもたらすかを考える。中国人民銀行でマクロ経済分析を担当していた官員が、中国の株式市場は、始めから株主に対して、最大の利益をもたらすことは考えておらず、あくまでは国営企業の危機を救うためのものとして、政府に利用されているのみだ。過去においても、現在においても同様である。唯一の違いは、今の株主は更に沢山の不良債権を抱えている国営銀行に対して、輸血をしてあげなければならないことだと述べている。

 中国の人々にとっての中共政府は、全く信用ゼロと言えるのだ。政府が美辞麗句を連ねても、株式市場の投売りが続出し、中国金融市場は至るところに危機をはらんでいるのである。ある投資家が、「全ての上場企業が一般の中小投資家を保護するというのは、またもや政府が投資家らに対しての罠である。決して、罠にはまってはならない」と話した。

(記者・劉園)

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