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米FRBが金利据え置き、インフレ次第で再利上げに含み

 米連邦準備理事会(FRB)は8日、連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準を5.25%に据え置き、2004年半ば以降、約2年にわたる17回連続利上げの停止に踏み切った。

 景気鈍化がインフレ抑制につながるかどうかを見極め、インフレリスクが続くようなら、再利上げに踏み切る姿勢を示した。

 据え置き決定は9対1で、ラッカー委員(リッチモンド地区連銀総裁)が0.25%の利上げを主張した。

 最近の経済指標では、住宅市場鈍化を主因に景気減速の傾向がみられる一方、賃金や物価上昇が続いていることが示されていた。

 FOMC声明では「抑制されているインフレ期待や金融政策措置の累積的効果、および他の要素が総需要を抑えていることを反映し、インフレ圧力はいずれ鈍化する可能性が高いようだ」と指摘。さらに「それでもなお、当委員会はある程度のインフレリスクが残ると判断している」とし、追加引き締めの程度と時期は、インフレおよび成長の見通し次第との認識を示した。

 今回の据え置きを市場は冷静に受け止めた。FRBは利上げ打ち止めを示唆せず、必要ならば措置を講じるとした。BMOファイナンシャルのリック・イーグルトン氏は「据え置きは予想どおりだった。声明をよくみると、必要ならば追加利上げをすることに含みを残してる」と述べた。

 朝方発表された第2・四半期の非農業部門労働生産性(速報値)は、伸び率が1.1%と前四半期の4.3%から急速に鈍化。単位労働コストはプラス4.2%と、第1・四半期の2.5%から上昇したことが要因。単位労働コストは2004年第4・四半期の5.1%以来の伸びとなり、景気減速にもかかわらずインフレの根強さを裏付ける格好となった。

 前回6月28─29日のFOMC声明文では、進行中の生産性の伸びが単位労働コストの伸び抑制に寄与すると指摘しており、今回の生産性の減速はこうした見方に疑問を投げかける可能性がある。

 今回の声明には生産性への言及はなく、一部アナリストは、生産性の伸び鈍化により、年内に再利上げを余儀なくされる可能性を指摘している。ブリーフィング・ドットコムの首席エコノミスト、ティム・ロジャース氏は「インフレが緩和されていると述べられたことにやや驚いている。きょう発表された労働生産性速報値を含め、経済指標はインフレが減速していないことを示唆している」と述べた上で、年内に追加利上げを実施するとの見通しを示した。

 第2・四半期の国内総生産(GDP)成長率は2.5%と、前四半期の5.6%から大幅に減速。また4日発表された7月の雇用統計でも、非農業部門の雇用者数の伸びが11万3000人に鈍化している。

 こうしたなか、物価動向は上昇傾向を示しており、6月のコア個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比の伸びが2.4%と、FRBが心地よいと見る水準を大きく上回っている。

(ロイター8月8日=ワシントン)

 (06/08/09 08:32)  





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