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2月18日、イラク北部では、住民は依然としてアルカイダの影におびえる生活を強いられている。写真は破壊されたサマラにあるモスクを見上げる警察官。5日撮影(2008年 ロイター/Sabah al-Bazee)

イラク北部に依然アルカイダの影、住民の不安は消えず

[サマラ(イラク) 18日 ロイター] イラク北部では、住民は依然としてアルカイダの影におびえる生活を強いられており、日が暮れる前に家路に着く人も多いため、夜にはゴーストタウンのようになる地域もある。

 米軍とイラク当局者らは、首都バグダッドやアンバル州などでの治安改善を強調しており、それらの地域では夜間の買い物や外食もできるようになっている。一方、サマラやバクバ、モスルなどでは、依然として武装勢力に対する不安が消えていない。

 バグダッドから北に約100キロ離れたサマラにある商店主は「アルカイダがサマラをうろつかなくなり、イラク人の顔に武器を突きつけたり、殺害や誘拐をしなくなったならば、治安が改善したと言えるだろう」と語った。

 米軍とイラクの治安部隊、およびスンニ派の部族組織は、アンバル州やバグダッド周辺からアルカイダ系武装組織を一掃した。ただ、それを境に武装勢力の多くは、米軍の目が届きにくい同国北部で再び結集している。

 米軍とイラク軍はことしに入り、ディヤラ州やサラフディン州といった地域でアルカイダに対する攻撃を実施しているが、効果が上がるまでには時間がかかるとみられている。

 米軍のスポークスマンによると、イラクでの武装勢力による攻撃の60%は同国北部で発生。攻撃件数は北部で昨年6月以降に42%減少し、同時期にイラク全体では60%減っているという。

 また、イラク駐留米軍のデビッド・ペトレアス司令官は先週、ニネベ州は同国で唯一、武装勢力による攻撃件数が増えたことを明らかにしている。

 ニネベ州の州都で160万人が住むモスルは、同国都市部でのアルカイダの最後の拠点と考えられている。イラクのマリキ首相はことし1月、モスルでの本格的なアルカイダ掃討作戦の開始を発表したが、米軍当局者らは、作戦完了には数カ月が必要との慎重な見方を崩していない。

 モスルでは、夜間外出禁止令が出されるとの警戒感も住民の間で広がっており、一部では食糧の買いだめを行う住民の姿も見られる。

 金細工職人のナセル・ハタムさんは「夜間外出禁止令が出されると思うので、それに備えて買い物をしている」と語り、料理油や調味料が入った箱を抱えて家路を急いだ。

(ロイター日本語ニュース 原文執筆:Sabah al-Bazi、翻訳:宮井伸明)

 (08/02/23 15:03)  





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