【大紀元日本5月14日】
列車にて遠く見ている向日葵は少年のふる帽子のごとし(寺山修司)
ひまわりはアメリカ原産の植物です。コロンブスのアメリカ発見後スペイン人がヨーロッパへ持ち帰り、地球を一巡して日本にもやってきました。日ノ本の国に相応しい向日葵(ひまわり)のお花畑が、あてどなく旅立つ孤独な少年に太陽色の挨拶を贈ります。
少年を乗せた列車は向日葵の東側を走っていたに違いありません。ヒマワリは太陽を追って、お花の向きを回す植物としてネーミングされたのですから。「ヒマワリはなぜ東を向くのか」の理科的なぞなぞを、植物学者・瀧本敦さんがこの本の中で興味深く紐解いてくれます。
植物の不思議な生活を私たちはどれだけ知っているでしょうか? 雨後のタケノコはどうして見る見るのびるのか?竹の花が全面開花すると、いっせいに竹が枯れてしまうのは何故なのか? 開花と枯死の因果関係とは?「植物の生活の不思議を科学的に説明しようとすると、何一つ満足に説明できるものがない」と率直に瀧本さんは語ります。
「ヒマワリはなぜ東を向いて花を開くか」・・・花の開花は植物の生命サイクルにとって、何を意味しているのでしょうか。ヒマワリの花の不思議な行動を探ってみましょう。若いヒマワリは夕方には太陽を追って西を向き、夜中に方向を転換して朝方に東向きに日の出を待ちます。ヒマワリは本当に太陽を追いかけて首振り運動をします。
ヒマワリの中に仕組まれた生体時計が関与しているのかも知れません。けれども何故ヒマワリだけが特に太陽を追って花を開くのか、ヒマワリの理由は依然として謎のまま残ります。ヒマワリの中にあるメカニズムや開花ホルモンを科学的に実験探求しても、本当の理由を発見することは出来ません。
やがて年老いたヒマワリは首振り運動をやめて、東をひたすらに凝視したまま花を広げます。それはヒマワリが生長をやめて死の準備に入ったことの予兆の姿です。花としての生長を犠牲にして老いのエネルギーを、種子を育む力へと転換します。
ヒマワリは地球の自転運動の中で太陽を追って、12の星座を規則正しく礼拝するように巡ります。太陽が黄道(天球上にある太陽の見かけの通り道)を巡ることの植物の記憶を地上で再現することに、最も律儀な花がヒマワリなのかも知れません。地球がようやく太陽の周りを自転しながら公転を始めた時・・・その時に種子が形作られた記憶をヒマワリが想起しつつ、今でも黄色の帽子を振りつつ挨拶を私たちに贈ってくれているのです。
(そら)
(09/05/14 09:15)
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