<赤龍解体記>(107) 両会開会から見る国民の変化

2013年03月04日 11時10分
一大政治ショーの舞台となる人民大会堂(Photo/Getty Images)

【大紀元日本3月4日】政治ショーと言われる中国の「両会」(全国人民代表大会・全国政治協商会議)が3月3日、北京で幕が開いた。演じる側は旧態依然だが、観る側に目立つ変化があった。

 中国メディアは通常「両会」開会前から、当選した「両会」代表などを紹介し、開会のムードを次第に高めていくが、今年は「古参代表」として全人代代表の申紀蘭さんを紹介した。しかし、その報道が予想外の反応を呼び起こした。

 申紀蘭さんは83歳、1954年から全人代の代表に選ばれ、今日に至る。「共和国が成長した歴史的証人」とされる申さんはインタビューで、「1954年以来、反対票を投じたことは一度もない」と誇らしげに言った。この発言が中国ネットユーザたちの憤りを買い、バッシングの的となった。

 福建省華僑大学文学部の毛翰教授が2月19日、自身のブログに「申紀蘭代表の歌」を投稿した。歌詞は、中国では誰もが知っている革命の歌「洪湖赤衛隊」の替え歌である。「お母さんよ、わたしが死んだら、人民大会堂に埋め、手の骨を高く挙げるようにし、わたしが永遠に決議に賛成するようにしてください…」

 毛氏の巧妙な書き換えは直ちに高評となり、フォロワーが相次ぎ、申さんの「奴隷根性」などを容赦なく批判した。そして、彼女の虚言も摘発された。「申さんは自分が農民の代表と言っているが、旦那さんはかつて都市建設局長で、彼女自身も省婦人連合会主任だった。1人の子供は現役交通局長で、もう1人の子供は現役糧食局長だ。彼女は不動産会社を経営し、自ら会長を務めている。2008年の会社の売り上げは6億元を上回り、利益は7千万元だった。四川大震災発生後、彼女は「一生の蓄積」と言って1万元を寄付したが、それでも「道徳の模範」として選ばれた」

 批判の矛先は彼女個人に対するより、彼女の虚言や共産党幹部・会社会長・全人代代表を一身にし、権力と経済利益との癒着、幹部一家など独裁政権の本質に向いている。

 中国のブロガーは実名で登録されるが、それでもあえて独裁体制を堂々と批判するようになった。しかも、その批判は従来の感情的、現象的から理性的、本質的へと変化している。たとえば、「両会」の代表を「偽りの代表」、共産党に「代表させられた代表」などの揶揄があちこちから聞こえてくる。

 また、開会前、元政治局常務委員で政法委前トップ・周永康氏を名指して批判する弁護士もいれば、天安門事件や法輪功への理不尽な弾圧を見直すよう求める議案を「両会」に提出した勇者もいる。そして、議案を堂々と支持する代表が多数いる。このようなことは前代未聞で、質的変化と言わざるをえない。

 すでに覚醒した中国国民は、独裁体制に対して無力な揶揄から有力な批判へと転換し、共産党に対する認識は現象から本質へと深まり、かつその犯罪に対し、昔の無言から責任追及をするなど共産党のタブーを敢えて破るように変ってきた。今年の「両会」は何の新義もないが、国民たちの変化は必ず新しい未来を切り開く。

(呈工)


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