大紀元時報

南シナ海で中国軍ミサイル発射 米は早急に抑止を=米専門家

2019年07月08日 19時27分
南シナ海で中国軍がミサイル発射した。米専門家は早急に抑止を呼び掛ける(GettyImages)
南シナ海で中国軍がミサイル発射した。米専門家は早急に抑止を呼び掛ける(GettyImages)

米シンクタンク・戦略国際問題研究所のリチャード・フィッシャー氏はこのほど、中国軍が南シナ海での軍事演習中に発射した対艦弾道ミサイル(ASBM)実験についての分析を示した。

フィッシャー氏は7月6日、大紀元英字版に「中国軍は対艦弾道ミサイルを試射、どれを撃ったのか?」と題した寄稿文で、南シナ海における中国軍の覇権的行動は米国のイージス防衛システムの強い脅威となっていると表現した。米トランプ政権に対して、エネルギー兵器や超高速ミサイルシステムの開発などを通じた抑止力の強化を呼び掛けた。下記はその抄訳。


米CNBCは匿名の米政府関係者の話を引用して、中国軍は、6月29日または30日に南シナ海でASBMの発射試験を実施した。

中国軍にとって初めての外洋軍事演習でASBMを実験した。このミサイルは1990年代から開発を続けていると考えられている。大型ASBMは音速で飛行し、迎撃が難しく、打撃力は破壊的で、空母のような大型船を標的にしているとされる。

しかし、米国当局は、演習で使用された中国軍のASBMについて明らかにしていない。

中国軍ロケット軍は、中国航空宇宙科学産業公社(CASIC)の技術を受けて、2010年以降は射程1700 kmのDF-21D ASBM、2014年以降は射程4000 kmのDF-26を所有している。

少なくとも2007年以来、人民解放軍は海南島にミサイル基地を維持しており、DF-21DとDF-26を収容することができる。この海南島基地から、DF-26ならば、米海軍と海兵隊が置かれている豪州ダーウィンの港湾都市が攻撃可能となる。

米国防総省アジア担当報道官デビッド・イーストバーン氏は7月2日、中国軍のミサイルは「スプラトリー諸島に近い人工建造物から発射された」と発表した。

イーストバーン報道官は、中国習近平主席が2015年9月に訪米し、首脳会談後に発表した声明にある「南シナ海に造った人工島を軍事拠点化しない」との声明に矛盾しているとして、「憂慮すべき事態だ」と懸念を表明した。

これらの人工島からのミサイル発射なら、中国軍ロケット軍あるいは中国海軍が、射程290kmのCASIC CM-401を実装した可能性も考えられる。これは輸出用の新しいASBMで、船や陸上基地から発射することができ、DF-21よりも小さく、島の基地に簡単に保管できる。

中国軍のCM-401は、おそらく350kmから500kmより長い航続距離を持ち、マッハ4から5で飛行する。この能力は、イージス航空とミサイル防衛システムのような最新の米海軍防衛を脆弱にさせる。

とても厄介なことに、CM-401は、潜水艦に搭載された対艦ミサイルや、西安飛機工業が開発した爆撃機H-6からの超音速YJ-12対空ミサイルと組み合わせて使用される可能性が高い。

高速で長距離を飛ぶ陸上ASBMなど、多様な対艦ミサイルは、米国のイージス防衛システムを圧倒する恐れがあり、脅威をもたらす。

2018年1月、中国軍は南シナ海での新しい共同軍事戦略として、空軍、海軍そしてロケット軍を組み合わせた演習を行った。米CNBCの報道によると、南シナ海での作戦を統制する軍南部戦区と従来の部隊をよりうまく統合する狙いがある。

南シナ海におけるCM-401またはDF-21Dの配備は、戦闘機の保護、空対地ミサイル、大型偵察機、無人航空機の支援を正当化する。

中国軍は、北東アジアおよび東南アジアの経済にとって不可欠なシーレーンを自国の都合に合わせて管理できるようになる。

中国軍が6月29日から7月3日にかけて行った南シナ海の軍事演習は、まさに主要なシーレーンの脇で行われた。ミスチーフ礁やスビ礁の人工島基地に兵器が配備されれば、将来のフィリピンのパラワン島への侵攻も容易になる。

中国の軍事拡大を抑止するために、米国は、米海軍艦船の防衛新エネルギー兵器の開発を加速させるべきだ。少なくとも、フィリピンのパラワン島からミスチーフ礁に到達する射程400 kmのMGM-140 ATACMS短距離弾道ミサイルが提供されるべきだ。

さらに、ASBMに空母を時代遅れにすることを許してはならない。高出力レーザーやレールガンなどのエネルギー兵器は、はるかに高い防御力を備えられるだろう。技術力による抑止で、2020年代後半あたりまで、中国側の(軍事)展開を遅らせることができるかもしれない。また、米国の中国軍によるASBM抑止力はもっと早く実現されるべきだ。

米トランプ政権は、新しい超音速対艦弾道を搭載できる、新たな中距離および中距離ミサイルシステムを開発している。これらは台湾や日本などの同盟国や友好国に早期に販売し、提供すべきだ。

つまり、中国軍が米国や同盟国に対してミサイルを使用すれば、米国、日本、韓国、オーストラリアおよび台湾の船舶、潜水艦、および航空機から発射されたASBMによって直ちに鎮圧させることができる、ということを、中国共産党政権の指導者たちに理解させなければならない。

(翻訳編集・佐渡道世)

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