シンガポール、香港の混乱受け過度な顧客勧誘しないよう銀行に警告

2019/07/12
更新: 2019/07/12

[シンガポール/香港 12日 ロイター] – 関係筋によると、シンガポール当局は同国の銀行に対し、香港の政治的混乱を利用して過度な顧客勧誘を行わないようくぎを刺した。

シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)の当局者が6月、DBS<DBSM.SI>やオーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)<OCBC.SI>の資産運用部門などに要請した。

MASは銀行に対し、香港の状況に配慮し、香港からのビジネス獲得を狙った戦略を立てないよう求めたという。

香港は中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を巡り混乱に陥っている。林鄭月娥行政長官は今週、改正案は「死んだ」と表明したが、同案には中国が香港にある資金やその他資産を凍結できるようにする条項も盛り込まれていた。

こうした中、現地の富裕層の間では資金を移動させたり、移動を検討する動きも出ている。

ある銀行幹部は「(MASの)メッセージは、香港で起きていることを不当に利用すべきでないというものだった」とし、「われわれは責任ある行動をとり、資産を移す好機だと顧客を説得する勧誘活動を始めないようにする必要がある」と述べた。

一方で「多くの問い合わせを受けている。顧客がシンガポールに資金を移すことを望むなら、フローを止めることはできない」と語った。

Reuters
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