大紀元時報

中共肺炎のまん延、カナダ人権弁護士「国家によるテロで刑事責任問うべき」

2020年04月23日 22時08分
長年中国臓器狩り問題を調査してきたカナダ人権弁護士のデービット・マタス氏。2019年10月米バージニア州で撮影(林楽予/大紀元)
長年中国臓器狩り問題を調査してきたカナダ人権弁護士のデービット・マタス氏。2019年10月米バージニア州で撮影(林楽予/大紀元)

中共ウイルス(新型コロナウイルス)が全世界で猛威を振るうなか、多くの国の政府や団体が、中国当局が当初から感染情報を隠ぺいし、感染者数を過少報告したと非難している。カナダのデービット・マタス(David Matas)弁護士は、中国共産党政権による臓器ビジネスを含む情報隠ぺいや虚偽報告の問題を積極的に追及していれば、今回の世界的な疫病流行は避けられたかもしれないと話した。

マタス氏と、同国元閣僚デービット・キルガー(David Kilgour)氏は15年間以上、中国当局が伝統気功・法輪功の学習者を主な対象にした強制臓器収奪と移植ビジネスを調査し、その実態を各国政府や人権団体に訴えてきた。両氏の調査では、当局は組織的に法輪功学習者、キリスト教徒、政治犯などから臓器を強制的に摘出し、国内外の移植希望者に手術を施し、莫大な利益を得た。

昨年6月、第三者による人権問題の調査と評価を行う模擬裁判「民衆法廷」がロンドンで開かれ、50におよぶ証言が精査された。その結果、臓器収奪問題は中国本土で「相当な規模で行われている」とし、最大の犠牲者は法輪功学習者との報告をまとめた。

マタス氏は臓器移植の調査を通じて、中国当局の医療データは捏造であり、公式発言は信用に値しないと指摘し続けてきた。明慧ネットの取材に応じたマタス氏は「各国は中国当局に対して、臓器収奪問題の情報開示と透明性を強く求めて、責任を問うよう圧力をかけるべきだった」と述べた。

中共の常套手段

マタス氏は、中国当局が最も重視しているのは共産党の体面を保つことであると強調した。「共産党の面子を潰すような問題が起きた場合、共産党はその問題を速やかに解決するのではなく、あらゆる手段で体面を取り繕うことに注力する。だから、共産党は事実を隠ぺいする。結果、問題は深刻化する」

「強制臓器摘出やSARS(重症急性呼吸器症候群)も同様に隠ぺいを続けた」「武漢で発生した今回の新型コロナウイルス感染症も、中国当局が発生源、感染ルート、初動対応において、これまでと同じ手法だ。情報隠ぺいは中国共産党の常套手段だ」

中共ウイルス対策では、マタス氏は、中国共産党の性質をよりよく理解する台湾の姿勢は、参考になると述べた。

「臓器狩り」問題を無視した報い

マタス氏によれば、2000年代に在外華人の訴えを受けて、中国の臓器強制摘出問題を調査し始めたのは、自身とキルガー氏などわずか数人だった。現在、この問題に関して各国で非難の声が高まっているが、「まだ十分ではない」とした。同氏は、各国の政府が協力して臓器収奪に関わった中国当局高官に制裁を下し、中国への臓器移植目的の渡航を禁止するなどさまざまな措置を講じなければならないとした。

「中国共産党政権のプロパガンダ工作、圧力、恐喝の下で、各国はまだ対策を取らず足踏みしている。政治的・経済的な利益を獲得するために、中国当局に同調することを選んだ人が大勢いる」

マタス氏は、中国の臓器狩りを無関係、無関心だと捉えた国にとって「新型コロナウイルスのまん延は因果応報かもしれない」とした。

同氏は、中国当局が意図的にウイルスを流出させたと考えていない。しかし、感染の拡大後、中国側はこの問題に「故意の無知(willful blindness、故意の盲目とも呼ぶ)」という態度をとっていると批判した。

「故意の無知」で刑事責任を追及

「故意の無知」はかつて、著名な裁判で刑事罰が下っている。

ナチス・ドイツの戦争犯罪を裁く国際軍事裁判、ニュルンベルク裁判では、人体実験などに関わったナチス体制の医師や医療関係者らの裁判が行われた。一部の被告は、責任から逃れるために、実験体となった身体の出所を「知らない」と一貫として主張した。「故意の無知」に基づき、一部の医師に対して死刑判決が言い渡された。判事は「医師たちが調べていれば、真実はわかったはずだから」だと判断したという。

「新型コロナウイルスのまん延でも同じことが起きている。中国共産党は世界の感染拡大そのものには興味がない。それよりも、感染拡大によって共産党政権が揺さぶられるかどうかに関心がある。このような『故意の無知』に基づき、中国共産党には刑事責任を追及できる」

また、中国共産党による故意の無知は、「国家によるテロの定義に当てはまる」とし、他国の裁判権に従うことを免除されるという慣習国際法上の規則「主権免除」が除外され、国際裁判でも中国の国家テロに対して責任追及が可能だとの見方を示した。

マタス氏は、カナダや米国など民主主義の国の政府や議員、個人などが「人類に危害をもたらした」中国当局を刑事告訴するよう呼びかけた。また、欧米各国が「中国当局に対して民事責任を問う法的メカニズムを形成する必要がある」ほかに、マグニツキー人権問責法に基づき、中共ウイルスの感染情報を隠ぺいした中国当局の高官に制裁を科すよう提案した。

人権弁護士デービッド・マタス氏は、人権、難民、移民分野の法律専門家。国連総会カナダ代表のメンバー、国際人権と民主発展センター長、カナダ憲法・国際法律条例主席などを歴任した。カナダ元アジア太平洋地域担当大臣デービッド・キルガー氏との共同調査で、2006年7月、中国の法輪功学習者からの臓器摘出疑惑に関する報告書を発表した。両氏は10年以上にわたって世界40カ国以上を回り、中国共産党による臓器ビジネスに注意を喚起した。2009年には民間の最高の栄誉であるカナダ勲章(Order of Canada)を受章。2010年にはノーベル平和賞候補。2017年、ガンジー平和賞受賞。調査過程を追ったドキュメンタリー映画「ヒューマン・ハーベスト(人間狩り)」は2015年、米ピーボディ賞を受賞した。

(記者・朱丹、翻訳編集・張哲)

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