大紀元時報

米国海兵隊と提携軍隊が日本とハワイで連携作戦演習を実施

2021年04月13日 12時18分
2021年3月13日、沖縄・伊江島で実施されたキャストアウェイ21.1演習で射撃区域を確認する米国海兵隊第3海兵師団・第8海兵連隊第3大隊の砲兵隊員、ジョセフ・ロペス上等兵(スコット・オーブション(SCOTT AUBUCHON)上等兵/米国海兵隊)
2021年3月13日、沖縄・伊江島で実施されたキャストアウェイ21.1演習で射撃区域を確認する米国海兵隊第3海兵師団・第8海兵連隊第3大隊の砲兵隊員、ジョセフ・ロペス上等兵(スコット・オーブション(SCOTT AUBUCHON)上等兵/米国海兵隊)

頭上を飛行する航空機に乗じて数百人の海兵隊員が上陸する中、海軍艦船が地平線にその不穏な姿を現すと同時に、一斉上陸した土地全体に噴煙が充満し、銃声と指揮の怒号が轟く。これが米国海兵隊における従来型の演習の特徴であった。これとは対照的に、最近、新たな作戦構想の下で第3海兵師団が主導した演習は全くの平時の様相で開始された。そして突如として狙撃が始まる。

2021年3月、日本とハワイの基地に所属する米国海兵隊が提携・協力して「遠征前方基地作戦(EABO)」を実施した。これは現代の沿岸域作戦において複雑性が増す5つの離島を跨いで実践された連携作戦構想である。日本で実施された「キャストアウェイ21.1(Castaway 21.1)」演習とハワイで実施された「スパルタン・フューリー21.1(Spartan Fury 21.1)」演習は、統合部隊と連携して主要な離島の土地を占有・防御することを目的として、高度に構築された遠征基地から海洋作戦を支援することで、気配を消して持続性を維持し、遠距離からの精密射撃(狙撃)を実現する海兵隊の能力を実証するものとなった。

日本のキャストアウェイ21.1演習の大部分の計画策定と実施の責任を担った第12海兵連隊第3大隊を率いるロー・レモンズ(Roe Lemons)中佐は、「今回実践した作戦はインド太平洋地域のどの離島・島嶼でも再現することができる。提携諸国や部隊の協力のお陰で、実際の状況で用いる戦術、技術、手順を磨くことができた」とし、「兵士等は忍び足で上陸し、長距離射撃により対応範囲を拡大する。諸国の海軍や沿岸警備隊の必要性に応じて、どれほどの長期間でもその持続性を維持して、シーレーン(SLOC)の中継点を制御できる能力を向上することに取り組んでいる」と説明している。

沖縄・伊江島の遠征前方基地(EAB)に持続的な長距離射撃能力が導入される前は、離島に忍び込む必要性が発生した場合には、米国海兵隊の第3偵察大隊および米国陸軍特殊部隊と米国空軍特殊部隊の隊員が合同で、多重の方式を用いて空と海からかなり向こう見ずなやり方で乗り込むより他に手段がなかった。MV-22Bオスプレイ・ヘリコプターからのパラシュート降下と闇に紛れた水陸両用作戦により潜入することで、海兵隊とその合同部隊が敵軍の領域を徹底的に調査し、着陸場所の適合性を確認することができる。やがて第121海兵隊戦闘攻撃飛行隊(VMFA-121)のF-35B戦闘機数機が作戦に加わり、その後間もなくして、数百人に上る第8海兵連隊第3大隊の歩兵を乗せた何機もの第1海兵航空団のMV-22BオスプレイとCH-53Eスーパースタリオンが到着した。この歩兵部隊が島の安全確保と強力な防御の確立を図り、反応性の高い長距離射撃により遠征前方基地の確保を主導する。

島嶼に秘密の射撃地点を点在させ、複数領域に張り巡らされた瞬時のステルス接続により作戦状況の共有を促進する環境の中、海兵隊は新たな作戦構想の実現を図る能力開発を目的として、米国海軍と同盟諸国の軍隊の機動の自由を確保するために突撃を開始した。分散はしたが、孤立する兵士はいない。第3海兵遠征軍内の機能および米国海軍の駆逐艦「ハルゼー(USS Halsey)」、米国空軍のC-17グローブマスターIIIの輸送・戦闘管制員、そして米国陸軍の第1軍団・マルチドメインタスクフォース(MDTF)、第25歩兵師団、第1防空砲兵連隊、第8戦域維持コマンド、第1特殊部隊、宇宙軍(USSF)を含む統合部隊全体の多くの機能が、こうした複雑な統合作戦を主導する第12海兵連隊の支援に当たる。

第12海兵連隊を率いるマイケル・ローチ(Michael Roach)大佐は、「今回の演習、つまり競争的に実施した今回の作戦では、分散されながらもネットワークで繋がった部隊が、将来的に分散型海洋作戦を実施する上で重要となる概念を実践することができた」と述べている。 一方、スパルタン・フューリー21.1演習では、第12海兵連隊第1大隊が航空機に高機動ロケット砲システム(HIRAIN:HIMARS Rapid Infiltration)発射装置を配備し、米国陸軍の着陸支援船を含めたさまざまな形態で遠征補給を実践するなど、多数の島と環礁が連なるハワイ諸島全体で標的を攻撃する能力の開発に取り組んだ。航空機と艦船により秘密の場所に運搬された移動式発射装置には、複数領域の有人・無人システムから発射データが送信される仕組みである。一方、多数の場所に分散して配備されたM777 155mm榴弾砲では、海兵隊員が実弾で標的を狙う訓練を実施した。

敵に気付かれることなく行動して並外れた影響を与えることを目標として、数百キロにわたる諸島と海洋に分散して配置された海兵隊部隊が米国空軍と海軍の隊員等と緊密に協力を図りながら、この分散型の部隊配備・維持という新たなアプローチを実践した。多くの場合、海兵隊と海軍の統合作戦は水陸両用輸送の観点で捉えられるが、今回の演習では海兵隊が海軍の駆逐艦と直接協力を図るという特徴があった。 第12海兵連隊第1大隊の艦砲射撃連絡士官を務めるジェイコブ・ゼルチャー(Jacob Zercher)少佐は、「艦船のセンサーを使用して通信範囲を拡大し、諸島全体で情報を共有した」とし、「これにより視覚で捕らえる物体と射撃対象物の範囲を拡大し、戦場における共通認識が改善された」と話している。

過去の多くの演習では高機動砲ロケットシステム高速潜入(HIRAIN)という手段が用いられていた。これには発射装置を飛行場に迅速に運搬し、発射して撤退するという技巧が必要となる。しかし、海兵隊と共同資産が主導した水上艦艇と航空機による輸送を活用し、地上では第1輸送支援大隊の気配を消した護送により作戦領域全体に秘密の供給物資を設置することで実施された今回の作戦では、遠征前方基地に現実的に永続的な長距離射撃能力の遠征支援を維持することが重要な焦点となっていた。

キャストアウェイ21.1の一環として伊江島で実施された演習に参加した第12海兵連隊第3大隊の高機動砲ロケットシステム砲兵中隊指揮官、ジェイコブ・バートン(Jacob Burton)少佐は、「こうした島嶼部分に長期間留まる上で必要な要素を検証している」とし、「今回の作戦演習からは多くの教訓が得られた」と述べている。 ハワイでの演習と同時に、沖縄では広範囲にわたる周辺の沿岸防衛を前提として、第12海兵連隊第3大隊が陸上で機動性の高い歩兵部隊を使用し、目立たない高速艇で迅速に海上の標的を検知・攻撃する演習を実施した。2020年に実施された「フォレスト・ライト(Forest Light)」演習で分散型の空爆を実現するために第3海兵師団が使用した統合軽戦術車両(JLTV/Joint Light Tactical Vehicle)が今回は別の目的に使用された。同車両を利用することで、ミサイルで武装した海兵隊の小規模部隊が移動中の標的を検知・攻撃することが可能となる。

沿岸防衛作戦を指揮した第3海兵連隊第3大隊の中隊長、ジョナサン・コーラー(Jonathan Kohler)大尉は、「学習と革新に聖域はない」と話している。 第3海兵師団にとって、遠征前方基地作戦の多くの側面は全く目新しいものというわけではない。この名高い師団は歴史的に、革新と開発、そしてインド太平洋地域の統合部隊と米同盟諸国との相互運用性の構築に取り組んできた。米軍と自衛隊が離島を確保・防衛し、遠征前方基地を構築することを前提として実施された日米共同統合演習「フォレスト・ライト」や「キーン・ソード(Keen Sword)」など、2020年に行われた重要な演習だけでも、多くの海兵隊員がこうした数々の演習から学んだ教訓をしっかりと念頭に置き、将来的に発生し得るニア・ピア(同等に近い敵)との戦闘は両国軍隊共同の取り組みになるという現実を認識するという成果に繋がっている。

米国陸軍第1特殊部隊(SFG(A))第1大隊を率いるエリック・デイビス(Erik Davis)中佐は、「危機や不測の事態に備えて殺傷力、即応性、対応力を有した軍隊を確保するという目的において、キャストアウェイはインド太平洋全域における提携軍隊との共同相互運用性の強化に向けた重要な第一歩となった」とし、「今回の演習により、第3海兵師団が遠距離からの精密射撃の基盤を離島や厳しい地理条件の場所に迅速に展開する上で、特殊作戦部隊の機能がどれほどの支援となるかが実証された」と語っている。 不朽の適応性と共同作業の特質の構築は初歩的な訓練から始まるため、この共同統合を推進することは海兵隊にとって理に適っていると述べたローチ大佐は、「今週、沖縄とハワイで実証されたように、当軍は共同作業を成功させるための要であると考えている」と話している。

(Indo-Pacific Defense Forum)

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