ロシアへの対処、国益を念頭に判断…国際情勢「激しい米中競争」で変化=岸田首相

2022/02/19
更新: 2022/02/19
コメント

岸田文雄首相は18日の衆議院予算委員会で、ウクライナ侵攻が発生した場合の対処について、2014年のクリミア併合時と比して国際情勢が大きく変化していることを挙げ、国益を念頭に置きつつ国際社会との連携を意識して適切に判断すると述べた。玄葉光一郎議員の質問への答弁。

岸田首相は「2014年のクリミア併合当時の国際情勢と今は大きく異なっていると強く感じている。わが国を取り巻く安全保障環境は一段と厳しさを増している」とし、「米中の競争は2014年当時と比較にならないほど激しい」との見解を示した。外交交渉を通じた緊張緩和を基軸としつつ、「G7などの同盟国や国際社会との連携を強く意識しながら適切な対応を考えていく」と述べた。

玄葉氏は、クリミア併合時の日本による対露制裁措置を「形ばかり」と効力を疑問視。15日に開催された日露経済協力会議については「日本側が出すメッセージがあいまいになっているのではないか」と懸念し、ロシアに強い態度を示せるのかと問うた。

首相は今後の対応について「実際に事態がどう変化していくか、どう展開していくかは、予断をもって述べることを控えなければならない」と述べ、具体的な言及を避けた。ウクライナ情勢については、欧州のみならずアジアを含む国際社会の秩序に関わる問題であるとの考えを示した。

外務省の発表によると、林芳正外相は日露経済協力会議で、ウクライナ情勢について重大な懸念を持って注視しており、緊張緩和と外交的解決を追求するよう求めるとの立場をロシア側に伝えた。

玄葉氏は岸田外相(当時)の前任として旧民主党政権時代に外相を務めた。ロシアのソチでプーチン大統領と会談した際、強い対米不信感を抱いていたとの印象を受けたという。東欧におけるロシアの求心力の低下があるのではないかと指摘しつつ、「軍を進めるとすれば明らかにルール破りである」と述べ、国際規範を重視する日本の毅然とした態度が求められるとした。

これに対し岸田首相は「様々な意味で、様々な条件が異なっている」と国際情勢の変化を強調。「我が国として国益を念頭に置きながら、国際社会との連携をどうしていくのか、適切な判断をしていかなければならない」と述べた。

18日に首相はプーチン氏と電話首脳会談を行い、会談後の記者会見では緊張緩和に向け外交努力を続けることが基本だと語った。プーチン氏からはロシア側の主張が説明されたとしたが詳細は明らかにしなかった。

緊張続くウクライナ情勢

ウクライナ政府軍と親ロシア派武装勢力による抗争が続く同国東部で17日、砲撃により幼稚園の入る建物などが被害を受けた。政府軍と親ロシア派武装勢力は互いに「砲撃を受けた」と応酬している。

米国のダリープ・シン国家安全保障担当副補佐官は18日の記者会見で、国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアの銀行を排除する措置は選択肢に残っているが、最初のパッケージには入っていないと述べた。SWIFTは国際送金の際に使用されるシステムであり、200以上の国や地域の金融機関1万社以上が参加している。排除されると国際送金が事実上できなくなる。

バイデン大統領は18日の演説の際、プーチン大統領が侵攻を決めたか否かの質問に対し「現時点で、私は彼が決定を下したと確信している。それを信じる理由がある」と述べた。そして「ロシアはまだ外交を選択することができる。緊張緩和のために交渉のテーブルに戻るのは遅くない」と語った。