中国 【映画紹介】

中国電波ジャック事件から20年 映画『長春』が語る感涙の真実

2022/04/21
更新: 2022/05/15
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2002年3月5日午後8時、中国長春市で十数人の法輪功学習者が地元テレビ局の電波を50分間ジャックし、中国共産党による法輪功への中傷を暴露する番組を放送した。20年後の今、その真実がアニメーションドキュメンタリー映画という斬新な形で世界に発信されている。

事件発生から数時間後、中国当局は戒厳令を発動した。5千人以上の法輪功学習者が逮捕され、そのうち400人以上が強制労働収容所に投獄された。電波ジャックに関わった法輪功学習者のうち、少なくとも7人は尋問中に惨殺された。15人は4~20年の禁固刑を言い渡されたが、そのほとんどは獄中死した。

こうした恐怖から海外に脱出する者もいた。その一人が「中国のアニメ王」と呼ばれる漫画家、大雄(ダーシォン、本名・郭競雄)氏である。事件後、長春を離れ、北京や広州を転々とし、08年にようやく米国にたどり着いた。 この間、中国共産党に3度逮捕された。

カナダ人映画監督ジェイソン・ロフタス(Jason Loftus)氏の最新作、アニメーション・ドキュメンタリー映画『長春』(英語タイトルEternal Spring: The Heist Of China’s Airwaves、和訳:永遠の春=中国の電波をめぐる争奪戦)では、大雄氏が主人公の一人として、事件を回想している。この映画は、大雄氏の卓越した画力、目撃者の証言、事件の調査・分析を融合させ、事件を再現している。

『長春』は6年の歳月をかけて制作された。大雄氏は、観客のために貴重な歴史の再現に力を注ぐだけでなく、故郷への深い思いも注いでいた。

ロフタス氏は、映画だけでなくVRやビデオゲームも制作するLofty Sky Entertainment社のCEO兼エグゼクティブプロデューサーである。2人の出会いは12年、大雄氏がLofty Sky社に雇われ、同社のビデオゲームにコミックアートを提供したのがきっかけだった。当時、ニューヨークで活動していた大雄氏は『ジャスティス・リーグ』や『スター・ウォーズ』のコミック化を手掛けていた。

ロフタス氏は大雄氏から電波ジャックの話を聞き、深く感動していた。そこで2人は、この事件を記念し、その全貌を明らかにするために、この映画を共同制作することにした。

映画祭で受賞 観客が法輪功の動作を学習

2022年4月12日夜、オランダのハーグで開催された人権映画祭で、アニメーション・ドキュメンタリー『長春』が上映された。 司会者の質問に答えるディレクター兼プロデューサーのジェイソン・ロフタス氏(右から2番目)とリードアーティストの大雄氏(左から2番目)(Frank Wu/The Epoch Times)
2022年4月12日夜、オランダのハーグで開催された人権映画祭で、最新アニメドキュメンタリー映画『長春』を見た後、法輪功の動作を学ぶ観客たち (Frank Wu/The Epoch Times)

『長春』の制作チームは8日、毎年恒例のオランダ人権映画祭「Movies That Matter」(4月8日~16日開催)に参加するためハーグを訪れた。

映画祭期間中、ロフタス氏はヨーロッパの映画批評サイト「Business Doc Europe」のインタビューに応じ、「この映画の主人公たちは、中国国営メディアの誤ったプロパガンダに対抗するために、あえて危険を冒して声を上げた」と述べ、主人公たちの勇気を称えた。

彼自身、中国政府からの迫害を受けた経験がある。中国政府は、法輪功学習者との関わりを理由に、出版社を脅し、彼の会社との取引関係を断ち切らせた。同時に中国にいる妻の親族も当局から警告を受けたという。

『長春』は映画祭で圧倒的な反響を呼び、最優秀ドキュメンタリー賞を含む3つの賞の最終選考まで残り、スペシャルメンション賞を受賞した。

4月12日夜、ハーグのPathé Buitenhof映画館での最終上映後、オランダ外務省のPaul Huijts事務局長、宗教担当大臣、審査員、観客が一緒に、法輪功の動作を学び、映画祭にユニークで忘れられない光景を残した。

法輪功(ファルンゴン)は、法輪大法(ファルンダーファ)とも呼ばれ、佛法に基づいた中国古来の精神修養の功法である。法輪功学習者は「真・善・忍」の理念に基づき、心身ともに豊かで健康な生活を求め、「百利あって一害なし」と評価されている。

だが、中国共産党は法輪功の急速な広がりを恐れ、共産主義体制への脅威と見なしていた。1999年7月20日、当時の江沢民国家主席は「3カ月以内に法輪功を撲滅させよ」「肉体を消滅させ、名誉を失墜させ、財力を奪え」という方針を定め、全土規模の弾圧を開始した。

映画『長春』の予告編(英語版)

 

王君宜
王君宜